今年の1月23日にRakuten Mobileより発売されたRakuten Mini。Rakutenが独自開発した3.6インチの超小型スマートフォンです。特徴はなんといっても小型なこと。横幅は53.4mmとiPhone 5シリーズよりも5mm小さく、重量も79gと羽根のように軽いです。
また、このサイズでおサイフケータイに対応しているのもポイント。決済用のサブ機に最適です。
Rakuten UN-LIMIT対応製品であり、無制限の通信が可能なRakuten Mini。税込み21,800円とお手頃価格な上、5000ポイント還元キャンペーンが実施されており、手軽に通信容量無制限のプランであるRakuten UN-LIMITを試してみるという目的でもおすすめです。今回はそんなRakuten Miniの実機を手に入れましたのでレビューしていきたいと思います。
目次
YouTubeでも紹介しています
Rakuten Miniですが、写真と文字では伝わらない部分を含めて私、Yusho NakayamaがYouTube上でもレビューをしています。
6分程度と短くて見やすい動画になっています。良ければぜひこちらも見てみてください!
基本スペック
基本スペック | |
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ディスプレイ | 3.6インチ, 720 x 1280, TFTディスプレイ, -ppi |
サイズ | 106.2 x 53.4 x 8.6mm, 79g |
システム | |
OS | Android 9(Pie) |
Soc | Qualcomm Snapdragon 439 |
CPU | Cortex-A53 8コア, 2.0 GHz |
メモリ(RAM) | 3GB |
ストレージ | 32GB, sd_card microSDスロット無し |
カメラ | |
メインカメラ | camera_rear 16MP, F値/2.0 |
前面カメラ | camera_front 5MP, F値/2.2 |
センサ類 | |
機能 | 防水 防滴, イヤホンジャック なし |
バッテリー | battery_charging_full2.0, Type-C 1.0, 1250mAh |
3.6インチ・横幅53.8mm・重量79gという超小型であることが光ります。
一方で、SoCがエントリー級のSnapdragon 439であること、並びに、RAM / ROMが3GB / 32GBであることからスペック不足によるパフォーマンスへの影響は気になります。ちなみに同じくSnapdragon 439搭載のGalaxy A01は約12,000円、Redmi 8Aは10,000円という価格設定になっています。
バッテリー容量は1250mAh。バッテリー持ちについても検証すべきポイントになります。
なお、製造元は中国Tinno、輸入はTinnoの子会社であるWikoからとなっております。
外観レビュー
まずは外観から見ていきましょう。今回はクールホワイトを購入しました。ほかにナイトブラック、そして4月中に新たにクリムゾンレッドが登場予定です。
正面はこの通り。左右のベゼルは狭いですが、上下のベゼルはかなり大きいです。2015年前後のスマートフォンのデザインでしょうか。
上部には左からインカメラ、通話用スピーカー、近接センサー、通知用ライトとなっています。ちなみにインカメラは5MPです。
ディスプレイは720p(1280 × 720 px)と、3.6インチにしては高解像度です。iPhone 4、iPhone 5よりもppiは高いです。
上部にはマイク用の穴、右側には電源ボタンと音量ボタン、下部にはスピーカー、マイク、USB-C端子が備わっています。また、右下にストラップホールというレガシーな機能が備わっています。首から下げて使うことも可能です。
また、これらのバンパーは金属と思いきやプラスチックです。アンテナ・コストの関係でプラスチックになっているのでしょうが、さわり心地は若干チープさが否めません。
残念なことにイヤホンジャックは非搭載。内部ストレージも32GBであることからも小型音楽プレイヤーとしては若干使いにくいですね。
また、後述しますがRakuten MiniはeSIM専用機のため、SIMトレイはありません。
背面はカメラ、LEDフラッシュ、FeliCaマークとRakutenのロゴというシンプルな見た目となっています。
背面はガラス素材となっています。反射が美しいですが指紋が目立ちます。なお、ガラス素材ですが無線充電には非対応となっています。
指紋認証は非搭載ですが、代わりに顔認証を搭載します。
iPhone 11と比較するとそのサイズがいかに小さいかがわかりますね。大型スマホに慣れている身からするとiPhone 4を思い起こすような懐かしさを感じるサイズ感となります。
カードと比較するとこんな感じ。カードを立てに引き伸ばしたようなサイズ感となっています。ちなみに横幅はカードよりもわずかに小さいぐらいでした。
見た目はチープですが背面は美しく、ズレなどもなくビルドクオリティは最高です。
同梱物は必要最低限
それでは付属品を見ていきましょう。
付属品一覧
- ACアダプター(5V1A)
- USB-A to USB-Cケーブル
- USB-C to 3.5mmイヤホンジャックケーブル
- 説明書
同梱物は必要最低限です。ACアダプターは5V1Aとベーシックなものですが、1250mAhのバッテリー充電であれば問題ないでしょう。
小型軽量は正義、ただしキーボードとマップは使いづらい
持った時の様子。両親には「おままごと?」と言われました(笑)
Rakuten Miniを持った第一印象は「軽っ!」でした。
79gというのは伊達ではなく、ハイエンドスマホの重量に慣れている人であれば衝撃を感じるほどの軽さでしょう。ほんと、マジで軽いです。
サイズに関しても最高に小さいです。むしろ小さすぎて、大画面スマホに慣れている私にとっては逆に持ちにくいと感じるほどです。
iPhone 11との表示領域の比較
画面が小さいと表示される情報量が少なくなります。
Twitterでは多くとも3つしか同時に確認できません。また、telektlistの記事も3つが限界です。
私のTwitter
しかし、意外とそれほ不便ではありません。いくら多くの情報が表示されていても下部の情報って実はそれほど見ることはなく、スクロールで上部に持ってきて確認することが多いです。そのため、Rakuten Miniの表示領域が狭くともスクロールすれば問題ないです。
端末が小さくスクロールしやすいというのも一役買っていると思われます。
しかし、画面が小さいと大変なのがキーボードです。キーボードが小さく、QWERTYキーボードでは誤タップが多発します。私はフリック入力をするとおじいちゃん並みの速度でしか文字が打てなくなるのでQWERTYキーボードユーザーにとってはかなり厳しいです。
また、サブ機だとしてもマップは利用したいものです。マップは表示領域が広いほど嬉しいのですが、Rakuten Miniでマップを利用すると情報量が少なく、かなり残念なことになります。
写真・動画については、サブ機で利用するものではないので個人的にはあまり気になりません。
キーボードとマップの使いにくさは、小型端末の避けられない宿命でしょう。
動作は若干もっさり
超軽量な本体とは裏腹に、動作に関しては全体的に若干もっさりしています。
いくら720pの低解像度ディスプレイでもSnapdragon 439+RAM3GBではハイエンドスマホほどのキビキビさはありません。
許容範囲内ではあるものの、iPhone 11と比較すると何をするにもワンテンポ遅れます。特にひどいのがRakuten UN-LIMITを管理するMy 楽天モバイルアプリ。アプリを起動するのに平均8秒もかかります。これはアプリの作り込みが悪いのもありますが...
小型端末に最適化された独自スキンは悪くない
Rakuten Miniに最適化されたApple Watchにそっくりな独自スキンのホーム画面はなかなか使いやすいです。反応も悪くなく、ダサさは否めませんがアイコンが大きいためタップしやすいです。
ただ、残念ながら背景は白一択で、変更することは不可能なようです。壁紙の設定はロック中のものしか変更できない様になっています。
左へスワイプするとRakuten Infoseek Newsという(誰得な)ニュース一覧が、右へスワイプするとウィジェットが開きます。なお、スワイプで何が出てくるかは変更できないようです。Android独自のカスタマイズ製の高さが犠牲になっているのはマイナスポイントです。好みが分かれそうなホーム画面だと思います。
個人的に嫌いなところはキャリア表示の余白。なんでRakutenの左側がこんなに詰まっているんですかね。すごく気になります。
おサイフケータイでRakuten Miniは真価を発揮する
Rakuten Miniはおサイフケータイに対応しています。
おサイフケータイこそがRakuten Miniを利用する価値がある機能でしょう。大きなメイン機はショルダーバックにしまい、名刺サイズのRakuten Miniをポケットにしまい、決済・SNSなどの最低限のことはRakuten Miniで済ませるといったが使い方ができるようになります。
Rakuten Miniは小型なため、どんな服装でもかんたんにポケットに入れられます。また、ストラップホールを利用して首から下げるのもいいでしょう。
自分が必要な決済機能を追加して使うといいと思います。
自分はiPhoneでは使えないEdy・nanaco・PASMOを登録しました。ちなみにSuicaとPASMOの共存は不可能です。
残念なのはFeliCaチップの位置。端末の中心から少し上という位置となっており、先っちょをかざすのではなくSuicaのように全体をかざす必要があります。FeliCaチップがもう少し端末の先端にあると使いやすかったのですが...
おサイフケータイを使うときは端末を左右からつまみ、全体をかざす必要がありそうです。
カメラはおまけ程度
16MPのカメラはおまけ程度の画質です。
左:Rakuten Mini、右:iPhone 11
iPhone 11と比較するのは酷ですが、ナイトモードのないRakuten Miniは暗所撮影に弱いです。意外と頑張っているのですが写真全体が暗いのと、細部を比べるとやはりディテールが潰れてしまっています。
左:Rakuten Mini、右:iPhone 11 iPhone 11はまたセンサーにゴミが載っていますね。
明暗差のあるシーンでは違いが顕著に出ます。Rakuten Miniは暗部が暗いのに背景の壁は白飛びしてしまっています。一方で、iPhone 11はしっかりとHDRが聞いており、暗部が明るく壁も質感がわかるほどになっています。
5MPのインカメラは画質は残念ですが、かなり広く映ることに驚きました。2、3人の集合写真でも問題なく撮影できると思われます。(自粛の影響で外で撮影できていませんのでカメラに関してはまたいい写真が取れたら報告させていただきます。)
とはいえRakuten Miniをサブ機として利用する分にはカメラはそこまで問題ではありません。
テザリングがマジで使いやすい
オプションで追加可能なテザリングスイッチ。他大受すると自動的にテザリングモードとなり、接続台数が表示される。
Rakuten Miniはホーム画面にテザリングスイッチを追加することが可能です。
テザリングを利用するときはここをタップするだけでオンになるため、
Rakuten Mini起動→ホーム画面でテザリングオン→自動的に接続
とスムーズにテザリングを行うことが出来ます。これがかなり便利で気に入っています。モバイルWi-Fiルーターとして利用するのに便利です。
eSIMのクセが強いが将来に期待
Rakuten Mini完全SIMフリー端末ですが、は物理的なSIMカードスロットを搭載しないeSIM専用機です。
eSIMを提供しているIIJmioのプランを契約することは可能ですが、3大キャリアのプランを契約することは現状出来ません。
また、Rakuten Miniに入っているeSIMを、eSIM対応している(ただし動作保証外の)iPhoneシリーズ(発表されたばかりのiPhone SE含む)、Pixelシリーズへ導入する際には別途3000円+税の手数料が必要になります。えっ金とるの...
物理SIMであれば差し替えるだけで可能になる機種変更ですが、Rakuten MiniのeSIMは手数料がかかるのが残念なポイントです。
物理的なSIMカードが不要でインターネットで簡単にプラン変更が可能であるeSIM。今後のキャリア、MVNO次第では面白くなりそうですが、現状ではただただ使いにくいだけであることには気をつけましょう。
電池持ちがネック
Rakuten Mini最大の欠点は電池持ちです。バッテリーが貧弱すぎで、お出かけの日は丸1日持たないだろうなと思います。
10分に1度SNSをチェックするという使い方でも、バッテリーは1時間で約10%減ります。これは、iPhone 11の1.5-2倍ぐらいの速度。ライトな使い方でも約10時間しか利用出来ません。
テザリングするとモリモリ減っていくバッテリー
また、モバイルWi-Fiルーター代わりにテザリングし、1時間カメラオンのWeb会議をしたところ、バッテリーは20%減っており、残り4時間という予測になっていました。このようにヘビーな使い方をすると半日どころか5時間しか持たないとなるとWi-Fiルーター代わりという使い方はかなり厳しいです。せっかく小型でホームのスキンも使いやすく、ほぼ無制限のRakuten UN-LIMITが使えるのに残念です。
また、スリープ状態で一晩寝るだけで最大20%もバッテリーが減ることがありました。これだけ放電がひどいとすべてが台無しになってしまいます。いい機種なのに本当にもったいない!
ここまで何個か上げてきた欠点はそこまで大きくないのですが、電池持ちだけは本当に致命的な欠点です。小型で軽い端末なのにモバイルバッテリーが必要となっては本末転倒ではないでしょうか。
【追記】対応バンドは少なく、海外利用(特にアメリカ)に注意!
Rakuten Miniの対応バンドは1/3/18/19/26/28/41となっています。
RakutenはBand 3、パートナー回線のauはBand1,18,26ですので国内利用はもちろん問題ないのですが、海外での利用時には対応周波数帯に気をつけましょう。
特にアメリカにはつながらないと思われます。Rakuten UN-LIMITは海外で2GBまで利用できますが、アメリカの提携キャリアのAT&TとT-MobileはBand2,4,5,12,17となっており、見事なまでに一致しないためアメリカでは利用できないと思ったほうが良さそうです。
まとめ:永遠の2番手で名脇役
以上をまとめるとこのような結果になります。
○小型軽量な本体
○おサイフケータイ対応
○モバイルWi-Fiルーターとして使いやすいデザイン。設計
×使いにくいQWERTYキーボード
×すべてを台無しにするバッテリーの貧弱さ
・動作は若干もっさり
・カメラの画質は微妙
・好みが分かれる独自ホーム
メイン機にはなれません。今の時代には小さすぎて文字入力も写真閲覧も動画鑑賞もゲームも適していないからです。
しかし、サブ機として割り切った使い方をする分には最高の相棒になれます。ポケットの中での存在感は無く、場所を食いません。一方で、電話・通信、そして決済に関しては最高のパフォーマンスを発揮します。
サブ機として利用する際に残念なのはキーボードとバッテリーです。特にバッテリーもちは最大の欠点です。常にモバイルバッテリーを持ち歩く人であればサブ機としておすすめできるスマホです。
Rakuten Miniは5000ポイント還元キャンペーン中です(4月30日まで。)2台目が欲しかった、Rakuten UN-LIMITを使ってみたい、そのような人にお薦めできるスマートフォンです。
また、つい先日新たにクリムゾンレッドのRakuten Miniが登場しました。楽天カラーの強烈なレッドカラーとなっていますので、個性的なスマホが欲しいという人にオススメできます。
個人的にはパソコン常に持ち歩いててUSBテザリングしながら充電してるからバッテリー持ちは気にならなかったな。
最大のボトルネックは書いてる通りFelicaの位置。改札に絶妙にタッチしづらくて何回か入りそこねた…