ライターのSasanisikiです。nova 5tやHUAWEI Watch GT 2と同時期に日本に投入されたウェアラブルデバイス、HUAWEI Band 4をレビューします。
11月11日にAliexpressにて「独身の日だ!スマホマニアとして何か買わなきゃ!」と300円しか安くなっていないのに焦って購入、約2700円でした。自宅には12月2日に到着、それから1ヶ月弱の使用レビューとなります。
筆者は日頃からMi Band 4、HUAWEI Band 4を使い倒しています。HUAWEI Band 4は果たしてどう進歩したのか、細かく比較していきます。
見せてもらおうか、HUAWEIの新型スマートバンドの性能とやらを......! (HUAWEI Band 4にはシャアザクみたいな赤色もあります。通常の3倍速く走れそうですね)
なお、今回レビューするのはグローバル版です。中国国内版ではSpO2(血中酸素飽和度)計測機能が搭載されていますが、グローバル版では非対応のため注意が必要です。
目次
どんな製品?-充電が便利なスマートバンド
HUAWEI Band 4を一言で言い表すと、「充電方法が便利なスマートバンド」です。最大の特長はアダプタ無しで普通のUSB(USB Type-A)経由で充電できること。日本での価格は4848円、前モデルのHUAWEI Band 3は現在でも6580円のままなので、新モデルの方が安いという状況です。
海外通販では同じくらいの値段ですが、日本価格はXiaomi Mi Band 4の方が3839円でお安めです。
デザイン - リニューアルで安っぽくなった
以前までのHUAWEI Bandシリーズから大幅な路線変更が行われ、以前までの曲面ディスプレイはフルフラットに。丸っこい雰囲気のあった以前の機種から、やや角ばったデザインにリニューアルされました。
個人的な印象だと全体的な質感はMi Band 4やHUAWEI Band 3よりも下。
一番気になるのはディスプレイの質が大幅に落ちたことです。
前モデルのHUAWEI Band 3とMi Band 4がどちらも0.95インチ、解像度は240x120の有機ELだったのに対し、0.96インチ、解像度は160x80のTFT液晶に。明らかにディスプレイに荒さを感じるようになりました。
また、画面の明るさ自体も下がってしまい、HUAWEI Band 4よりMi Band 4やHUAWEI Band 3の方が全体的に明るく鮮明です。さらに、有機ELと違い、黒色でも発光するため、ディスプレイとベゼルの輪郭が分かりやすくなってしまいました。
また、バンドはMi Band 4やHUAWEI Band 3と比べてかなり柔らかく、ベゼルはHUAWEI band 3よりもプラスチック感が強くなりました。
"随分頼りない雰囲気だな...."というのが開封した第一印象です。
充電方法&バッテリー持ち
HUAWEI Band 4の最大の特徴はその充電方法です。バンドの付け根にあるボタンを押すことでロックが解除されバンドが離脱、USB端子(オス)が登場します。ロックはうまくできており、使用中に外れる心配はありません。
今は昔、HUAWEI Talkband B1ではキャップを外してのUSB充電に対応していました。その後のTalkbandシリーズもMicro-USB直結で充電できたのですが、直近のHUAWEI Bandシリーズはアダプターが必要でした。いにしえの便利機能が復活してくれたのはありがたい限りです。
ただし、このような充電方法を搭載した代償でしょうか、充電の持ちは悪くなりました。前モデルのHUAWEI Band 3の電池持ちが公称2週間であったのに対し、こちらでは1週間に。Mi Band 4の20日と比べると半分以下です。
とはいえ、いつでもPCから充電できるHUAWEI Band 4の「いつ充電が切れても大丈夫」という便利さはバッテリー持ちを補って余りあると私は感じています。
仕様と機能を簡単に紹介
Huawei Band 4の機能はざっと10項目。Android Wear非搭載のスマートバンドとしては一般的な機能量です。
- 腕時計機能
- 心拍数計測機能
- 音楽コントロール機能
- 万歩計
- フィットネストラッキング(屋外・屋内ランニング/屋外・屋内ウォーキング/屋内・屋外サイクリング/エリプティカル/ローイング/自由訓練-筋トレ)
- 通知機能
- 睡眠計測機能&スマートアラーム
- ワークアウト機能
- タイマー&ストップウォッチ
- スマートフォンの探索
- HUAWEI製スマホのカメラ起動時のシャッター操作
HUAWEI Watch GT2にあるようなストレス計測機能はありません。また、音楽コントロール機能は発売後のアップデートにて追加されました。
ちなみに、Mi Band 4のフィットネストラッキングで対応しているのは屋外・屋内ランニング/バイク/ウォーキング/筋トレ/水泳の6つです。同様の水泳計測機能はHUAWEI Band 3にもありますが、HUAWEI Band 4は非対応。ただしHUAWEI Band 4も他と同じ5気圧防水のため、水辺での使用は可能です。
フィットネスは文句無し、他の機能はあと一歩足りない
HUAWEI Band 4の最大の機能であり最大の魅力は、充実したフィットネスへのサポートです。連動するヘルスケアアプリも非常に優秀で、分かりやすい説明と見やすいUIで自分の健康状態が一目でわかります。
例えば、HUAWEI TruSleep™ という機能では、睡眠中に付けているだけで睡眠パターンの分析や睡眠障害まで診断、アドバイスしてくれます。アドバイスの種類は200パターン以上だそう。また、睡眠の浅い時を見計って起こしてくれる機能も搭載。朝、寝起きの悪い私でも気持ちよく起きられます。Mi Band 4にも睡眠の計測機能はありますが情報量や精密さで劣っており、アドバイスもありません。
また、ランニングでは平均ペースや歩幅、カロリーなど徹底的に計測。Mi Band 4よりもかなり正確に計測してくれます。GPS非搭載ながらもHUAWEI Band 4の計測はかなり精密です。
ジャイロセンサーでは計測しににくそうな急勾配の続くランニングコースにて比較したところ、実際の距離(5.1km)に対しHUAWEI Band 4の計測結果は5.02kmとかなりの精密さ。それに対し、同じくGPS非搭載のMi Band 4は3.32kmとなんとも残念な結果。HUAWEI Band 4の性能の高さが伺えます。
なお、HUAWEI Band 4もMi Band 4も、GPSを搭載したスマートフォンを身につけて走ることでさらに精度を上げることができます。
他にもヘルスケアアプリと連動させることで、ウォーキングから脂肪燃焼、有酸素運動、フルマラソンといった22種類もの目的別に作られたトレーニングを利用できます。例えば、"HITラン"では30秒のダッシュと20秒のジョギングが組み合わされており、指示に従って走ることで効率的にスピードと持久力を向上できるとのこと。ランニング初心者には頼もしい機能です。
もちろん、これらの機能は他のHUAWEI製スマートバンドでも利用できますがMi Band 4では利用できません。HUAWEI Band 4の優れているポイントの一つでしょう。
文字盤のデザインは62パターン
選択できる文字盤デザインは62パターンと超豊富。
以前のHUAWEI Band 3&3 Proの僅か3つで、Band 3 Proに至っては公式ページに「文字盤は随時アップデートされます」なんて書いているくせに1年以上経っても3つのままだったので、これは嬉しいアップデートです。
アプリ数は少ない
自由度や機能はMi Band 4と比較すると正直物足りない所。
例えば、サードパーティ製アプリとの連携が不可能です。Mi Band 4はサードパーティ製アプリで文字盤はもちろん、通知ごとに振動の種類を変えたり、メッセージアプリで通知を特定の人のみに限定したりと機能の拡張が可能。それに対し、HUAWEI Band 4はサードパーティ製アプリでの機能のカスタマイズは不可能。文字盤も"ヘルスケア"アプリ内のものしか使えません。
また、Mi Band 4にあってHUAWEI Band 4には無い便利機能が、バンド単体の通知オン / オフの切り替え。アプリから設定できるものの、スマートバンド単体で設定できないことは少なからずストレスでした。
HUAWEI Band 3からの新機能は無し
通知設定など新機能が追加されていることを期待したのですが、実際に機能の進化等はほとんどありません。下が具体的な変更点です。
<HUAWEI Band 3からの変更>
・充電方法がアダプター要らずに進化
・バッテリー持ちが半分に(2週間→1週間)
・ディスプレイが曲面→フラットに
・ディスプレイの質がダウン(0.95インチ240x120有機EL→0.96インチ160x80TFT液晶/明るさもダウン)
・スイミング時の計測機能が廃止、エリプティカルとローイングが追加
・UIの変更
・音楽コントロール機能が追加
・5分間、時計の連続表示機能が追加
例えばフィットネスではエリプティカルとローイングが追加されていますが、スイミング機能が削除、そのほか音楽コントロール機能以外に追加された目ぼしい機能はありません。ハードウェア面では、充電が便利になったものの電池持ちが半分になったり、ディスプレイなどは明らかに劣化してしまいます。
まとめ - フィットネスツールとしては最高
評価: /5点
HUAWEI Band 4とMi Band 4のどちらを選択しようか悩んでいる方も多いでしょう。両製品を一言で表すとすれば、HUAWEI Band 4は運動や健康管理したい方むけの活動量計、Mi Band 4は全てに優秀なオールラウンダーです。
HUAWEI Band 4はHUAWEI謹製のヘルスケアアプリとのタッグで健康管理に最適です。一方、Mi Band 4のように通知オフ設定やサードパーティ製アプリの使用はできず、痒いところに手が届きません。価格帯、名前共によく似た両機種ですが、方向性は異なっています。
良い点
- 簡単で便利な充電方法
- GPS非搭載ながらも精密なランニング計測
- 多機能で優秀なヘルスケアアプリ
イマイチな点
- 前モデルから下がってしまったディスプレイの質
- 微妙なデザイン
- Mi Band 4よりも乏しい拡張性
なお、HUAWEI Band 3からのアップデートはあまりありません。充電方法や音楽コントロール機能、文字盤のバリエーションに魅力を感じなければ、ディスプレイの綺麗さや高級感からHUAWEI Band 3をお勧めします。
購入は海外通販もアリ
なお、国内版はAmazonにて 税込4848円で購入できます。
グローバル版はAliexpressにて日本国内版よりも安い2600円ほどで販売されています。
より高機能なHUAWEI Band 3も発売中です。
※製品に関する質問は随時受付中です。
レビューありがとうございます。スマートウォッチ/スマートバンドってまだ発展途中なのか、精度と自由度、お値段のバランスで「これだ!」という決定版がないようで、自分が何を欲しいかわかっていない場合、相対的に満足度が下がってしまう製品を掴んでしまう可能性、ありますよね。
そういう意味でも詳細なレビューはとても参考になります。
2つ質問いいでしょうか。
・ペアリング相手のスマホの機種教えて欲しいです。
・Huaweiのウェアラブルって通知がタコい印象があるのですが、まともに来ていますか?
購入時の参考にしたいので、よろしくお願いします。