「このスペックで3万円台!?」
と、発売当時我々を驚かせたRedmi K20シリーズ。
「ポップアップ式インカメラ」「ディスプレイ内蔵指紋認証」「広角、標準、望遠のトリプルカメラ」と、いまのスマートフォンのトレンドであり、最新技術であるこれらを惜しみなく搭載し、チップセットも最新のSnapdragon 730に6GB RAM。ディスプレイはしっかりと19.5:9の縦長有機ELで、カメラも48MPとほぼ最高の解像度のもの。
SocこそRedmi K20 Proより劣り、カメラ性能も僅かに落ちるそうですが、その他のスペックは全く同じです。
これだけモリモリと積みに積んだハードウェアでありながら3万円台前半であるRedmi K20はXiaomiの「安くていいものを提供する」「利益率は5%以内」を体現化したものであり、Redmiの「新興国で売れるモデルを作る」という理念を表した現在の超ハイコストパフォーマンスモデルです。
ただ、価格が安すぎるので、「細かい作り込みを犠牲にしてカタログスペックだけ盛ったのでは?」という不安も頭をよぎります。実際に優れたスマートフォンなのでしょうか?
そんなRedmi K20シリーズのベースモデルである「Redmi K20」(ヨーロッパ版・香港版等はXiaomi Mi 9Tと呼ばれており、今回はMi 9T版をレビューします。)を今回通販サイトのBanggoodからご提供いただきました。筆者がメインスマホとして数週間使い込んだ感想込みでレビューします。
Xiaomi Mi 9T / Redmi K20とは?:Xiaomi (Redmi)が出した最強コスパのフラッグシップ機のベースモデル
良いところ:3万円で何でもできる、ディスプレイ内指紋認証が早い、広角カメラが素晴らしい
悪いところ:ディスプレイの誤タッチが多く片手操作がしづらい、カメラは高機能だが完璧ではない
目次
開封の儀
まずは開封の儀と行きましょう。
付属品は、
- ACアダプター
- USB to USB-C ケーブル
- スマホケース
- SIMピン
- 説明書類
となっています。
今回入手したモデルは香港版ですので先が丸い香港のACアダプターとなっております。
また、ACアダプターは18Wの高速充電に対応したものとなっています。仕様としては、5V3A / 9V2A / 12V1.5Aの3段階となっています。これが香港版だからなのかかなり大型で場所を取るという印象を受けます。重量は実測61gとiPad向けのACアダプター(66g)に近く、折り畳めない上サイズも大きいです。
なお、上位機種のRedmi K20 Proは27Wの高速充電に対応したACアダプターが同梱されているはずです。
また、ケースが付属しているのはAppleユーザーの私からするととても新鮮で嬉しいことでした。その一方で、保護フィルムが付属していないのは残念です。ディスプレイ内指紋認証の関係で保護フィルムはつけないでほしいということなのでしょうか。
ケーブルは片方が一般的なUSB、もう片方がUSB-Cとなっています。
付属品で文句を言うなら付属ケースになります。この保護ケースなのですが、実はとても仕上がりが微妙です。
つや消しのグレーのケースはとても滑りやすく、Mi 9Tが大型であることも相まって落としやすいです。シンプルでかっこいいのですが、傷も目立ちやすく、裸で運用したほうが良いような気がします。
✔ デフォルトで高速充電ができる
✔ ケースが付属している
✘ ACアダプターが大きい
✘ ケースが滑る
✘ 保護フィルムは付属していない
・ ケーブルはUSB to USB-C
スペック概要
基本スペック | |
---|---|
ディスプレイ | 6.39インチ, 1080 x 2340, 有機ELディスプレイ, 403ppi |
サイズ | 156.7 x 74.3 x 8.8mm, 191g |
システム | |
OS | Android 9.0 (Pie) |
Soc | Qualcomm Snapdragon 730 |
CPU | Kryo 470 Gold x2 & Kryo 470 Silver x6 8コア, 2.2 GHz |
メモリ(RAM) | 6GB |
ストレージ | 64GB / 128GB, sd_card microSDスロット無し |
カメラ | |
メインカメラ | camera_rear 48 + 8 + 13MP, F値/1.8, トリプルカメラ |
メインカメラ特徴 | camera |
前面カメラ | camera_front 20MP, F値/2.2, 機械式ポップアップカメラ |
センサ類 | 画面内指紋認証センサ, 加速度センサ, 近接センサ, ジャイロ |
機能 | 防水 非対応, イヤホンジャック あり |
バッテリー | battery_charging_full2.0 Type-C 1.0, 4000mAh |
外観、デザイン
デザインというのはスマホを選ぶ上で最も重要と言っても過言ではない部分です。Xiaomi Mi 9Tのデザイン、外観がどんな感じなのか、見ていきましょう。
前面は画面占有率90%を超えるノッチレスディスプレイとなっています。下部のベゼルが少しだけ太めですが、全く気になりません。たかがノッチレスと手にする前は思っていましたが、実際に触ってみると感動します。ノッチの無い解放感・全画面の未来感をひしひしと感じます。
背面はガラスであり、質感は上々。カメラは上部中心に3つついています。上から順番に望遠、標準、広角レンズとなっております。
一番上の望遠レンズは赤色のリングのアクセントが追加されています。どちらのカメラユニットもわずかに飛び出ていますが、ケースをつければ気にならないです。
上部はポップアップ式のインカメラとイヤホンジャック、マイクがあります。
ポップアップ式のインカメラ上部にはLEDが搭載されており、通知ランプの役割も果たしています。とはいえ、本体の側面にあるため正直見づらいです。
右側面には電源、音量ボタンがあります。電源ボタンは赤のアクセントカラーが加えられています。Xperiaのように音量ボタンが下部にあり押しづらいということはなく、自然とフィットします。
下部は左から順にSIMカードスロット、USB-Cポート、マイク、スピーカーです。
また、上部同様にアンテナラインがありますが、色が馴染んでおり目立たないです。
なお、左側面はまっさらで何もありません。
全体的には板感が強く、シックな見た目でシンプルで美しいデザインです。
処理性能
Xiaomi Mi 9T(Redmi K20)は上位モデルとは異なり、SoCはミドルハイのSnapdragon 730を搭載しています。
Twitter、Instagram、Chromeといった一般的な利用では全く問題なくサクサク動きます。YouTubeなどの動画再生も問題ありません。RAMが6GBもあることからか複数アプリを開いてもサクサク感に変化はありませんでした。
ゲームに関してもヌルサクです。スーパーマリオランを試しに遊んでみましたが、読み込み・動作は快適そのもの。他のミドルレンジスマホとは一線を画す処理性能であると思います。
Antutuスコアは21万。Snapdragon 730のスコアとしては平均~やや低めです。とはいえ、これだけのスペックがあれば十分でしょう。
ソフトウェア
OSはAndroidベースのMIUIです。ピュアアンドロイドとは違うので不安に思われるかもしれませんが、iOSとデザインが似ており、見た目もスタイリッシュで使いやすいです。アプリドロワーが無い点はiOS似ですが、Androidらしくウィジェットも使えます。AndroidとiOSのいいとこ取りをしたようなUIです。
また、香港版のXiaomi Mi 9Tは日本語に完全対応しています。中華フォントも見られず、ローカライズは完璧です。
Google Playやソフトウェア・アップデートも問題なく使用可能。日本で売られているAndroidスマホと全く同じ様に使うことができます。
私は2016年頃に中国大陸版Xiaomi Mi 4Cを使っていた時期があったのですが、当時は見た目は良かったものの、カクカクだわGoogle PlayがMi Storeとバッティングするわ、Xiaomi製アプリは至るところに広告があるわでとても使いにくく、MIUIに対して良いイメージは持っていませんでした。
しかし、この機種でイメージが変わりました。日本人でも何ら支障無く使える、とても良いUI・ソフトウェアだと思います。
ディスプレイ
Google Mapsも情報量多くて最高です
ディスプレイは2340*1080の有機ELディスプレイ。
発色は素晴らしく、有機ELらしいハイコントラストな画が見られます。最大輝度と最小輝度の差は大きく、布団の中でも眩しくなく、真夏の太陽の下でも見やすいです。また、ベゼルレス、ノッチレスディスプレイは未来感に溢れていて美しいです。
ディプレイの四隅は丸まっていますが、写真は殆どが4:3、動画も18:9であるため端になにか表示されることはめったになく、全く問題ありません。
ベゼルレスで、本体はiPhone XSよりも大きいサイズなので誤タップが多くなってしまうことが弱点です。手の小さい方は注意が必要かもしれません。
スワイプで戻る機能
画面の両端をスワイプすることで戻ることができるジェスチャー機能はすごく使いやすいです。慣れると片手操作のストレスが大幅に軽減されます。
ディスプレイに内蔵された指紋認証はとても高速です。速度はMate 20 Proに完勝しています。指紋認証に失敗することもほとんどなく、精度もとても良いです。3万円のスマホとしては本当に素晴らしいことです。
カメラ
カメラ構成は、
・48MP、F1.75の標準カメラ(ピッチ1.6μm)
・8MP、F2.4の2倍望遠カメラ(ピッチ1.12μm)
・13MP、F2.4の0.6倍広角カメラ(ピッチ1.12μm)
となっています。焦点距離は公開されていませんが、広角カメラが124.8°というスペックになっていますので、ここから焦点距離を計算すると広角がフルサイズ換算11.3mm、標準が18.8mm、望遠が37.7mmということになります。iPhone XSのメインカメラが26mm相当ということですので、他のスマートフォンと比べると全体的に広角よりの画角となっています。
しかし、実際に比較してみると標準カメラはiPhone XSと同じ画角です。広角124.8°というのは少し疑問があるスペックですね。
千葉県江川海岸の夕焼け
画角はこんな感じ。iPhoneよりも少し広めです
肝心の画質は悪くないです。標準カメラで撮影したときは4つのピクセルを1つにした4000*3000ピクセルの12MPの画像が得られます。48MPモードにすると8000*6000ピクセルの画像が得られますが、解像度は良い一方でジャギーな上、ファイルサイズも大きくなるので、多用はしなくても良いでしょう。
標準レンズの欠点は歪みがあることです。キーボードを近くで撮影したときに樽型の歪みが大きいです。
望遠カメラは遠くの工場が引き寄せられるが波の質感は落ちる
真っ昼間の明るい時間帯は悪くない
望遠レンズは8MPであるため、標準カメラで撮影した画像をトリミングしたものとの差異は小さいです。画素数が少ないからか、光が豊富ではないときは質感が落ちる印象です。
歪みはなく、望遠レンズらしい直線です。
広角レンズは足元までもが写ってしまうほど広いです
手前の木が全部映るほど広い!
広角カメラは非常に素晴らしいです。かなりダイナミックに空間が切り取れるため、風景写真で大迫力の絵を撮ることができます。画角が広いため手ブレも気になることはありません。
しかし、広角レンズでは最短撮影距離が長く、近寄って撮影ができません。とはいえマクロ撮影は標準カメラ、望遠カメラで十分でしょう。
夜景モードはPixelシリーズには劣るものの、かなりきれいな写真が撮れます。iPhone Xのオートモードと比べると、Mi 9Tが明らかに優れています。SNSに上げる程度であれば問題なくきれいに撮れるでしょう。
ポートレートモードをうまく利用すれば、ご飯も美味しそうに撮ることができます。
Mi 9Tだけでトリミング、レタッチすることで高彩度のインスタ映えするような写真も撮れますよ。
ビデオに関してはすべてのリアカメラに手ブレ補正が搭載されており、スムーズな絵が取れます。ただ、望遠カメラのビデオは流石に手ブレを打ち消すのが難しかったです。
インカメラ
Mi 9Tの最大の特徴であるポップアップ式のインカメラはオタク心をくすぐるだけでなく、スムーズに飛び出てくるため自撮りもあまりストレスを感じません。
飛び出るときはパルスモーターのノイズがわずかながらに聞こえますが、図書館でインカメラを開いても周りに気づかれないほど静かであると思います。
20MP、F2.2(ピッチ0.8μm)と、心もとないスペックになっていますが、AI機能を利用した補正もあってか色白で受けが良さそうな自撮り写真が撮れました。しかし、拡大してみるとリアカメラと比べてやはり無理している印象が否めません。
とはいえMi 9Tを購入する人は私を含め、自撮りをするような人ではないと思われるので顔認証、ビデオ通話といった必要最低限の機能であれば十分にこなせるでしょう。
ちなみに、顔認証ロック解除にはしっかり対応しています。ロック画面をフリックすると自動でカメラがせり出し、ロック解除後すぐに格納されるようになっています。タイムラグは思ったより短いので、案外実用的です。
バッテリー
Mi 9Tのバッテリー容量は4000mAhです。バッテリー持ちはSNS利用とインターネットサーフィン、Google Mapの利用のみだと1日で半分ほど残る事が多いです。ほとんどの人にとって文句無しの電池もちです。
ただ、出先で長時間ナビをする、YouTubeを見る、Vlogの撮影をするといったヘビーユースをするならばモバイルバッテリーを携帯したほうが良いでしょう。
充電は付属の高速充電器やPC用の充電器を利用したときはかなり高速に充電ができますが、香港版は充電器の形状が日本のものとは異なるのでアダプターが必要です。Banggoodはサービスでアダプターを同梱しているようです。
音質
Mi 9Tに搭載されているスピーカーは画面下部に一つのモノラルスピーカーのみです。画面上部には通話用のスピーカーがありますが、iPhoneや昔のHTCのようにこれを使ったデュアルスピーカー機能はありません。
音質はそこそこで、悪くは無いが良くもないといったほど。個人的な感想となりますが、iPhoneやMate 20 Proといったハイスペック機と比較したら解像度がやや低い感じがします。
しかし、最大音量はかなり大きいです。ハイスペック機よりも大きく、かつ音割れもしません。
イヤホンジャックもついているので、この価格であれば納得のオーディオ性能です。
まとめ「やはりコスパ最強スマホだった」
Xiaomi Mi 9T、どんなこともそつなくこなす優等生といった印象でした。それでいて3万円台であるというのは驚愕のコスパです。デザイン・UIなど、カタログスペックでは見れない細部の作り込みも圧倒的でした。褒め一辺倒でごめんなさい。でも、本当に良いスマホです。
◎良い所
3万円で何でもできる
ディスプレイ内指紋認証が早い
広角カメラが素晴らしい
×イマイチな所
ディスプレイの誤タッチが多く、片手操作がしづらい
カメラは高機能だが完璧ではない
保護ガラスがない
付属ケースが滑る
他のハイスペックスマートフォンに劣らない性能ながら、3万円台で販売されていることが最大の強みです。
スマホの進化は著しく、この価格帯のスマホであれば、どれを選んでも不自由無く使い倒せるでしょう。しかし、「不自由」と「快適」には差があります。SNS、動画鑑賞、ゲーム、写真撮影、とにかくなんでも快適にこなせるのはXiaomi Mi 9Tぐらいなのではないでしょうか。
6.39インチの大型スマートフォンでも良い、MIUIアレルギーではない、何よりもコスパが大事であるという方にはハズレはないスマートフォンであると思います。
Mi 9Tを買うならBanggood。限定クーポンで大幅割引
今回レビュー用端末を提供して頂いたBanggoodからtelektlist読者専用のクーポンコードを頂いています。クーポン適用後の価格は定価をも下回ります。お買い得です。
クーポン: BG8MM9T6 通常価格349.99ドル→278.99ドル
クーポン: BG89T6C 通常価格399.99ドル→299.99ドル
Banggoodは香港発の大手通販サイトとして有名で、日本への発送も行なっている点が大きな魅力となっています。ガジェット類に強い品揃えに加え、発送も素早く、国内への到着も速いのが嬉しいポイントとなっています。
この前これ使い始めた。
ちなみに前の機種はMi 9 SE。
あっちに比べるとデカくて重いのがネックだけどノッチが無くてSoCレベルも上、バッテリー持ちも良い
しかも同じMIUIなのにソフトウェアの設定項目が割と異なってたんだよね
Mi 9 SEはアプリ各々の通知音ですら個別に設定できなかったし、通知バーに通知アイコンが常時表示されなかったから不便だった
Mi 9Tはそれらがすべて解消されてて使い勝手もバッチリ仕上がった印象だったぜ
SoCは712から730になって、さらにアプリ起動時やゲームで読み込む時などが速くなった
これは確かに文句のつけようがない最強の機種だと思う