2018年末ごろから、RoyalをはじめとしてSamsungやHuawei、Xiaomiなどの大手メーカーが発表をしている折りたたみスマホ(折りたたみスマートフォン)。
正式に発売された製品はまだありませんが、発表の段階でも高い注目を集めています。折りたたみスマホがトピックの記事は全体的にアクセスが多く、日本国内(telektlist内)でも話題になっていることが分かります。
スマートフォンは数十台、タブレットも十台近く使用してきた筆者の意見では、折りたたみスマホは普及までにまだまだ時間が必要だと考えています。4つの主な理由を説明します。
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折りたたみスマホは値段が高い
HuaweiのMate Xは日本円で約290000円、Galaxy Foldでも少し安い約210000円という価格でした(発表時)。
スマートフォンが我々の生活の中で必要不可欠なものになりかけているとはいえ、二十万円以上の金額を費やすというのは誰にでもできることではありません。
今の価格では、一般ユーザーにその価値を理解してもらえるまで時間がかかってしまうはずです。しかし、この先折りたたみスマートフォンが安く製造販売できるようになれば、徐々に普及するのではないかと筆者は予想します。
通常のスマートフォンがなぜここまで世界で普及したかといえば、安いものは一万円以下から選べ、様々な価格帯の機種が存在していることが理由の一つでしょう。
壊れやすいのではないかという心配の声も多い
折りたたみスマートフォンはその名前の通り、ヒンジ部分(関節)が折れ曲がるようになっています。
そうした時に、「普段使いの中で何度も折り曲げを繰り返している間にヒンジ部分が壊れてしまうのではないか」という心配の声が出てくるのは当然のことでしょう。また、ヒンジ部分だけでなくスクリーンに問題が起きないかどうかも、ユーザーにとっては心配です。
このような心配の声がある限り、折りたたみスマートフォンの購入を考える人の数は増えにくいでしょう。
Galaxy Foldの場合、二十万回以上の折り曲げに耐えることができるとメーカー側から公式発表がされています。一日に百回折り曲げをした場合、約五年間使い続けられることになります。
実際に耐久性のテストが行われており、その様子はYouTubeでアップロードされています。ただし、この耐久性のテストは、Galaxy Foldの機械へのセットの仕方が、人間の持ち方とは異なるからそこまで参考にならないという指摘もあります。
今後の普及のために、メーカーは高い耐久性をアピールしたマーケティングなどを引き続き行うことで、「壊れやすい」というイメージを払拭する必要があるでしょう。
ハイエンドスマホとタブレットを別々に買った方が良い
前述したように、折りたたみスマートフォンは安いものでも価格が約20万円以上。20万円があれば、新品のハイエンドスマートフォンとハイエンドタブレットの両方を買ってもおつりがでます。
Galaxyシリーズの場合、Galaxy SとGalaxy Tab Sシリーズのタブレットを両方揃えることができます。Appleデバイスの場合は新型iPhoneとiPadを買うこともできてしまいます。
実際にハイエンドスマートフォンとハイエンドタブレットの両方を使っている筆者の知人は、荷物の量や外出先・時間によってどちらかだけを持ち歩いたり、両方を持っていくか決められるのが良いと話していました。
また、デバイスを二つに分けることで、家族や友人と共有する(貸す)使い方もできるのがメリットだそうです。
ズボンのサイズによってはポケットに入らない場合も多く、コンパクト化が完全には進んでいない折りたたみスマートフォン。コンパクト化が進むまでは、スマートフォンとタブレットを別々に揃える方が合理的でしょう。
メーカーが発売を急ぎすぎている
スマートフォン業界では、大手メーカーそれぞれがライバルよりも少しでも速く新製品を発表しようと日々競い合っています。
折りたたみスマホの開発では特にその競争が激しく、SamsungとHuawei、Royalの三社が特に発売を急いでいるように感じられます。
事実、SamsungのGalaxy Foldでは、レビュー用としてテック系ジャーナリストに配布されたものでトラブルが起きてしまっています(画像)。このトラブルは、本来では剥がしてはいけない「ポリマー材の接着層」をジャーナリストが間違えて剥がしてしまったことが原因だとiFixitからは報告されています。
SamsungはGalaxy Fold公式HP上で、柔軟性を持たせた多層型ディスプレイを搭載と公表しています。テック系ジャーナリスト達が保護シールと思い剥がしたものは、本来スクリーン上に付いているはずのポリマー材の接着層でした。Samsungの思惑通りには行かなかったようです。https://t.co/c1gNvGEOoI
— iFixit Japan (@iFixit_Japan) April 18, 2019
トラブルはなかったものの、Huaweiも折りたたみスマホ・Mate Xの発売を9月まで(予定)延期させているのが現状です。RoyalのFlexPaiはデベロッパーモデルが発売されているのみで、一般向けの発売はまだされていません。
メーカーが無理して発売を急いだ結果、実際には未完成だった折りたたみスマートフォンが売り場に並んだとしたら、困るのはそれを購入した我々ユーザーです。
Galaxy Sシリーズや、Huawei Pシリーズなどの人気スマートフォンを開発してきた大手メーカーでさえ開発に苦労し、トラブルを起こしている折りたたみスマホが、この先すぐに普及するとは思えません。
普及に時間はかかるが将来性はある
以上の理由から、筆者は折りたたみスマートフォンの普及にはまだ時間が必要だと考えています。
しかし、その未来感と利便性は揺るぎない魅力です。ソニーやシャープ、Xiaomi、モトローラなどスマホメーカー各社による開発も続々と行われています。
数年後、価格も今よりは手ごろになり、耐久性もあることが認知されれば最上位モデルは折りたたみスマホに移行しているかもしれませんね。
個人的には外付けナビバーや物理ボタンがあってほしいんだけどね
こういう技術系よりも使い勝手の良さが大事だと思うの
だって所詮スマホだし、大画面だったらタブレットでよくねってなる