こんにちは。telektlistライターのSekeyです。
ESファイルエクスプローラーというファイルマネージャーアプリが突然GooglePlayから消えたのは4月のことです。日本でも愛用しているユーザーは多く、一度は使ったことがあるという方も、telektlist読者のみなさんなら珍しくないはずです。
ESファイルエクスプローラーとは
ESファイルエクスプローラーは中国のBaiduの子会社DO Globalが開発したファイルマネージャーアプリ。2018年の夏からはBaiduからDO Globalが独立し、その子会社のDu Globalが運営しています。
BaiduはSimeji(シメジ)というキーボードIMEを開発したことでも知られています。Simeji(シメジ)は一時期「中国に入力した個人情報が送られている」とインターネット上で大騒ぎになりましたが、現在はiPhoneユーザーにも人気のアプリになっているようです。
時代に合わせて細かいデザインは変わったものの、アイコンがリリース当時から大きく変わっていないのが個人的に高評価であるESファイルエクスプローラー。
機能面でも操作性でも非常に高く評価されており、GooglePlayストア内での評価は4.5/5という人気ファイルマネージャーの一つでした。無料で使用できる(有料のPro版あり)ということで、アプリ内には広告が所々配置されていました。今回のスキャンダルには影響していたのは広告でした。
メーカー純正のファイルマネージャーがプレインストールされているというAndroidスマートフォンばかりではありません。Xperiaはメーカー純正のファイルマネージャーがプレインストールされていないことは有名ですね。そのようなスマートフォンを使用しているユーザーからは人気があったようです。
ESファイルエクスプローラーがGooglePlayから消えた
実は、GooglePlayストアから消えたのはESファイルエクスプローラーだけではありません。そのデベロッパーのDu Globalがリリースしているアプリ全てがGooglePlayストアから削除されたのです。GooglePlayストア内のDu Global、DO Globalのデベロッパーページも削除されています。つまり、GooglePlayストアからの事実上の追放です。
DO Globalのアプリは全体で2.5億人のアクティブユーザーを毎月記録していたということですが、相当な数のユーザーが一瞬で路頭に迷ってしまうことになりました。
デベロッパーのDO Globalは、自社関連のアプリ(ESファイルエクスプローラーなど)をGooglePlayストアから削除するというGoogleの判断をきちんと受け止めているということです。そして、事実ではなくても悪意のある開発者/アプリだと疑われてしまったことについて責任を感じているというコメントとともに、謝罪のメッセージを公式ホームページに残しています。
なぜ消えた?
GoogleはDu Globalのアプリがユーザーが操作していない状態でもアプリ内の広告をクリック(タップ)させる不正な改ざんをされていると判断。ESファイルエクスプローラーをはじめとするDu GlobalとDO Globalのアプリ全てをGooglePlayストアから削除しました。現在も削除されたままの状態です。
また、Du Globalが開発したものにもかかわらず、ES Globalという名前でリリースをしていたこともGoogleの規約違反となってしまいました。
Du Globalは自社アプリを通しての広告収入を受け取ることも現在は不可能になってしまったということです。以上の経緯で、GooglePlayストアの歴史上最も規模の大きなスキャンダルになってしまいました。
親会社のDO Globalは今回問題となってアプリ内の広告について、関連のアプリを全て調査しているということです。
ファイルマネージャーアプリの話
Androidスマートフォンの強みと言えば、iPhoneなどのiOSデバイスではできない「SDカードで容量の拡張・データの移行が簡単にできる」ことです(SDカードスロット非搭載のモデルも多いですが)。
端末内のファイルを細かく管理したい場合はファイルマネージャーアプリやGoogle製のパソコン向けファイルマネージャーソフト「Android File Transfer」を併用すると便利です。
iOSでは数年前からAppleも純正ファイルマネージャーアプリを開発し、標準機能となっています。
純正アプリ登場以前のiOSデバイスのファイルマネージャーアプリといえば、MacのFinderを忠実に再現したファイルマネージャーアプリ「iFile」がかつて大人気だったのが懐かしいです。当時のiOSデバイスでは大変だったmp3ファイルなどの扱いも、iFileではラクラクだったんです。iFileに出会った当時のワクワクを思い出します。
話がずれましたが、ファイルマネージャーアプリは端末内のデータをファイル表示で直感的に管理できるのが一つの強みです。SDカードと本体ストレージ間のデータ移送もファイルマネージャーアプリがあると捗ります。
これからどうしよう…
GooglePlayから消えたということは、今後デベロッパーがAPKを直接配布しない限りは正規の方法でESファイルエクスプローラーをインストールするということはできません。
GooglePlayストアでのアプリリリースはAppleのApp Storeに比べて審査の難易度が低いことで知られています。Googleが削除という判断を下したのはよっぽどGoogle様を怒らせてしまったのでしょう。
ESファイルエクスプローラーのapkファイルを外部サイトからインストールし、そこから端末にインストールするという方法もありますが、疑惑がある以上は使うことはためらわれます。
代わりになるアプリでおすすめはXiaomiのMi File ManagerとFiles by Googleです。
Xiaomiは純正ファイルマネージャーをGooglePlayで配信しており、Xiaomiの端末でなくてもインストールが可能です。数億台のスマホにプリインストールされているだけあって、圧倒的な完成度と使いやすさです。
Files by GoogleはGoogle純正のファイルマネージャーです。SDカードへのデータ転送もスムーズで、なにより嬉しいのは広告が無いことです。
安全性に注意
ファイルマネージャーアプリは許可さえ出せばインストールされた端末の全てのファイルにアクセスし、読み書きすることができるものです。今使っているファイルマネージャーが本当に信用できるものなのかは慎重に判断したほうがよいでしょう。
本体にメーカー純正のファイルマネージャーアプリがないという場合を除いて、純正のものを使うのが一番安全でしょう。それを信頼できないということは、その端末を製造しているメーカーを信頼できないということです。
> BaiduはSimeji(シメジ)というキーボードIMEを開発したことでも知られています。
2011年に開発者ごと買収した後、Simeji(シメジ)というキーボードIMEのVer.4以降を開発している。