調査会社CounterPoint Researchは15日、2020年第二四半期(Q2=4月~6月期)の世界スマホSoC市場シェア調査の結果を発表しました。前年同期とくらべ、MediaTek(台湾)とHiSilicon(中・Huawei傘下)、そしてApple(米)のシェアが急拡大した一方で、他3社のシェアは軒並み減少しています。
全体の動向
おもにCOVID-19の影響で、スマホAP(アプリケーション・プロセッサ、SoCに統合されている場合が多い)の市場規模は前年同期比で26%減少しています。既に指摘されているように、SoC全体、そして当然スマホ全体の出荷台数もまた大きく減少していることが考えられるでしょう。
全体の動向について、CounterPointリサーチ部門副代表のニール・シャー氏は以下のように分析しています。
COVID-19の影響でスマートフォン市場全体が縮小しているなか、Qualcommのシェア減少の要因は、世界最大のスマートフォン市場である中国においてHuaweiがシェアを拡大し、またアメリカによる制裁を鑑みてHiSiliconチップの使用を増やしたということにもあります。HONORブランドを含むHuawei製スマホにおけるQualcomm製チップのシェアは、2019Q2の12%から3%まで減少しました。
すべての関連市場が厳しいというわけではありません。例えば、(中国での)5Gスマホの売上はたった一四半期前と比べて二倍以上(126%)にも増加しています。この傾向は、2021年頃に上半期の売上減を相殺し、その後の市場の成長を加速させることになるでしょう。また、これは例え今年の市場全体の規模が小さいままだとしても、APサプライヤーにとってシェアを伸ばす重要な機会となります。
Huaweiへの制裁は今後Qualcomm、MediaTek、そしてUnisocの成長を推し進めることになるでしょう。
(CounterPointの記事から、筆者訳)
Huawei制裁の影響で、今後は大荒れか
第二四半期に絶好調とも言える結果を出したHiSilicon(Huawei)ですが、その未来は明るくありません。
既にHiSiliconはチップの製造委託先である台湾TSMCとの取引が不可能になっており、Huawei Mate 40シリーズに搭載されるとみられるKirin 9000がHiSiliconの最後の製品になる可能性が高いです。
Huawei亡き後のスマホ市場では、空いたポストの過酷な取り合いが予想されています。
CounterPointのリサーチ・アナリストのショブヒト・スリヴァスタヴァ氏によると、Huaweiが40%近くのシェアを持つ中国や、ヨーロッパなど中高所得地域においてはQualcommが優勢になる可能性が高いといいます。そしてまた中国、ロシア、中近東、アフリカなどの中低所得地域では格安の4G・5G製品をもつMediaTekに勝算があります。
ミドルハイ~ハイエンドスマホなどの高級セグメントにおいては、5Gの登場による、クラウドゲーミング市場の拡大も期待されています。マスマーケットにおいては、より手軽に楽しめるカジュアルなゲームの拡大が予想されています。CounterPointは、安価なゲーミング機能を備えた(ミドル級の)スマホ市場が2020年だけで1011%にも拡大すると予想しています。90~120Hz級の高リフレッシュレートディスプレイもより今後のトレンドになっていくといい、スマホメーカーはMediaTek Gシリーズ、Snapdragon 600番台、Snapdragon Gシリーズを搭載したスマホをさらに増加させていくつもりのようです。
Source:CounterPoint
Apple雑魚すぎて草