香港証券取引所に上場するXiaomiは25日、同社の2021年第2四半期(3~6月期)の決算を発表しました。同期間においてXiaomiは世界のスマートフォンシェアでAppleを抜き、初めて第二位に躍り出ました。また、その期間内においても同社は継続的にシェアを伸ばし続け、Counterpoint Researchの月間販売シェアでは今年6月の時点でサムスンをも上回り一時的に世界第一位の座に君臨しており、Xiaomiのスマホ事業は今まさに絶好調であると言えるでしょう。
四半期の売上は64%増の1兆4000億円、純利益は87%増の1100億円に。
2021年第2四半期の売上高は前年同期比64.0%増の878億人民元(約1兆4000億円)、純利益は同87%増の63.2億人民元(約1100億円)となりました。
スマホ部門、IoT家電・生活雑貨部門、インターネットサービス部門、その他の全事業が大きく成長しましたが、その中でもスマホ事業が全体に占める割合はより一層大きくなりました。
スマホ事業に及ばないながらも成長中のIoT家電部門では、XiaomiのIoT家電プラットフォーム「AIoTプラットフォーム」に接続された製品の数が3億7450万台(前年同期比34%増)に達したことが報告されました。
なお、日本でも発売されているMi Bandシリーズなどの健康管理機器についてはAIoTプラットフォーム(Mi Homeアプリ)ではなくMi Fitアプリのネットワークに登録されているものとみられ、ここでは加算されていない可能性が高いです。世界中で広く普及しているMi Bandシリーズを考慮すると、Xiaomiのスマートデバイスの数はさらに多くなることでしょう。
スマホ事業は前年同期比80%の割合で急激に成長、依然高価格機種は厳しいか
当然というべきか、報道されている通り絶好調のスマホ事業は、出荷台数が前年同期比で82.9%増という驚異的な伸び率を記録しています。2021年第2四半期のXiaomiのスマホ出荷台数は5280万台(Canalys調べ)で、市場シェアは17%となりAppleを超え初めての二位に浮上しています。首位のサムスンにも肉薄しており、今後は主力の格安機を中心にXiaomi MIX 4などの高価格機も打ち出しつつさらなるシェア獲得を目指すとみられます。ヨーロッパ地域、アジア太平洋地域など地域によっては既にサムスンを抑えシェア一位の座にこぎつけています。
ただし、第4四半期にはAppleがiPhone 13シリーズをリリースする予定であり、Xiaomiといえどこの時期には他Androidメーカー各社と同様に厳しい戦いを強いられることになりそうです。
また、高価格帯における競争を不得意としていたXiaomiは、高い成長率を記録した今期にあっても依然、格安機種への偏りが露見しています。Counterpoint Researchが発表した2021年第2四半期の、世界のスマホの売上金額シェアでは、販売台数で17%・第2位を記録したXiaomiが金額ベースではたったの9%・第3位と、4~5位のOPPOやvivoに肩を並べています。売上で言えば、高価格機専門のAppleが「例年低迷しがちであった第2四半期でさえも41%の圧倒的シェアを獲得している」ということを考慮しても、明らかに少ない数字です。事実として、サムスンは売上シェアでも15%という、販売台数シェアと大差ない数字を獲得しています。
話題のスマートEV事業に関連して、自動運転関連企業の買収を発表
決算発表に併せて、3月末の製品発表会で明かされたスマートEV(電気自動車)事業への参入について進捗状況が報告されました。
「今後10年間で100億ドルをEV事業へ投資する」という宣言のもと、今回Xiaomiは自動運転関連企業のDeepMotion(深动科技)社を買収することを発表しました。買収額は7730万ドル(約85億円)にのぼるということです。Microsoft Research出身の研究者らによって2017年に立ち上げられた新興企業で、カメラとGPSによるマッピング技術を得意としているとのこと。買収の完了日は未定です。
また、今年の6月11日から8月12日までに、EV事業の求人に2万件以上の応募が寄せられているといい、レベル4の自動運転(特定条件下での完全自動運転)部門で500人分のポストを募集していることを明らかにしています。
Source:Xiaomi Blog,Xiaomi IR(1),(2)
まあ本命はiPhone13が発表された後のQ4のシェアだな。どうなるか楽しみだわ。