近頃スマートフォンによく搭載されるようになったToFカメラ。
ToFカメラとはどういったものなのでしょうか?今回はToFに関して詳しく解説していきます。
目次
ToFカメラ=深度測定用カメラ
ToFはTime of Flightの略です。ToFカメラは同一ユニット内の発光部から光を放出し、対象物に当たって反射した光との時間差、つまりTime of Flight(飛んだ時間)を計測することで対象物とカメラの距離を測るカメラになります。
ToFカメラには必ずセットで光を発する投光部があります。投光部から発された光と、そこから発された光が対象物へ当たり、反射した光の位相差を計測することで対象物への距離を測ります。
なお、光は可視光以外に赤外線、レーザー光などが用いられています。
高解像度、リアルタイム性、低コストがメリット
ToFカメラによる深度測定の様子
対象物との距離は1ピクセルごとにわかりますので、1箇所ではなく様々な部分に対する深度情報がわかります。また、処理速度にもよりますが、リアルタイムの深度情報がわかることもメリットです。
また、ToFカメラは投光部・カメラ・処理用チップで構成されます。汎用品を利用できますので、比較的低コストで深度測定が可能なのです。
乱反射や光が強い環境下のノイズが課題
反射光を計測するという仕組み上、カメラ内の乱反射や2回以上反射した光によってノイズが発生することがあります。
また、太陽光など強い光源の存在下では、投光部の光よりも光源光・環境光が強く、計測が困難になる場合があります。
そのため、反射しやすい素材のものや、太陽光のもとではToFカメラによる深度測定がうまくいかない場合があります。一方で、比較的暗い部屋の中ではうまく動作します。一般的なカメラは暗いとノイズが発生し、画質が落ちてしまうのですが、ToFカメラは逆に暗い部屋のほうが好ましいというのが悩みどころですね。
余談
このような性質からToFカメラは産業用ロボットや医療現場など、光源や環境が変化しない場所でよく利用されています。
原理上、スマートフォンや自動運転の自動車などへの応用は大変なのだと思われます。
なお、ToFカメラは仕組み上、近すぎるものに対してはうまく測定できません。また、最大1cmほどの誤差が生まれます。
デュアルピクセル・デュアルカメラとの違いは?
デュアルピクセル・デュアルカメラによる深度測定の様子
一方で、デュアルピクセル・デュアルカメラによる深度測定は、視差(左右の目で見える部分が微妙に異なる現象)を利用します。2つの画像のピクセル単位のズレは対象物との距離に応じて変わります。ズレの大きさを図ることで対象物との距離がわかります。
デュアルピクセル・デュアルカメラは反射光を利用するわけではないため、どんな環境でも深度測定が可能です。一方で、デュアルカメラは標準カメラと望遠カメラなど、違うカメラを組み合わせるとノイズの原因になります。また、デュアルピクセル・デュアルカメラともに、カメラの配置・ピクセルの割り方によって深度測定が苦手な方向が生まれます。
詳しくはこの記事にて解説しています。
そのため、デュアルピクセル・デュアルカメラ・ToFカメラを組み合わせることでどんな環境でも高精度な深度測定が可能になると言えます。
ToFカメラで高精度なボケが実現
投光部が確認できるXperia 1 ⅡのToFカメラ
ToFカメラがスマートフォンに搭載されることにより、より高精度な深度情報が取得でき、ボケの質が向上します。また、リアルタイム性を活用し、ボケのある動画の撮影が容易にできるようになることが期待されます。
しかし、ToFカメラは撮影には使えません。スペック表記でToFカメラ込みのカメラ数が表示されることがありますので注意しましょう。
ToFカメラの登場でより進化していくスマホカメラ。果たしてどこまで一眼カメラに近づけるのでしょうか。
ToFに関して解説している動画です。非常にわかりやすいので興味がありましたら見てみてくださいね。
Source : Vision Campus
これは良い解説記事