Qualcommは6日、Snapdragon 7シリーズとしてSnapdragon712を発表しました。
18年5月に発表されたミドルレンジ向けSoC、Snapdragon710の後継モデルとなります。
目次
Snapdragon 712/710の比較
SoC名 | Snapdragon 712 | Snapdragon 710 |
CPU クロック | 最大 2.3 GHz | 最大 2.2 GHz |
CPU コア数 | 8x Qualcomm® Kryo™ 360 CPU | |
CPU Bitアーキテクチャ | 64-bit | |
モデム名 | Qualcomm® Snapdragon™ X15 LTE modem | |
Downlink LTEカテゴリ | LTE Category 15 (downlink) | |
Uplink LTEカテゴリ | LTE Category 13 (uplink) | |
Downlink キャリアアグリゲーション | 3x20 MHz carrier aggregation | |
Uplink キャリアアグリゲーション | 2x20 MHz carrier aggregation | |
LTE最大ダウンロード速度 | 800 Mbps | |
LTE最大アップロード速度 | 150 Mbps | |
イメージシグナルプロセッサ | Qualcomm Spectra™ 250 image signal processor 2x Image Signal Processor (ISP) / 14-bit | |
メガピクセルサポート | Up to 20 MP dual camera Up to 32 MP single camera | |
ビデオキャプチャ | - | Up to 4K Ultra HD video capture @ 30FPS Up to 1080p video capture @120 FPS |
対応コーデック | H.265 (HEVC) / H.264 (AVC) / VP8 / VP9 | |
オーディオ技術 | Qualcomm Aqstic™ audio technology Qualcomm® aptX™ audio technology TrueWireless™ Stereo Plus technology | Qualcomm Aqstic™ audio technology Qualcomm® aptX™ audio technology |
GPU名 | Qualcomm® Adreno™ 616 GPU | |
Quick Charge™ サポート | Qualcomm® Quick Charge™ 4+ technology | Qualcomm® Quick Charge™ 4 technology |
さらに優れたパフォーマンスの実現へ
Qualcommが公開している製品情報によると、Snapdragon 712はSnapdragon 710と同様にチップには10nmプロセスを採用。独自のCPU「Kryo 360」とGPU「Adeno 616」を採用、こちらもSnapdragon 710と同じものを搭載しておりますが、CPUクロックは2.2GHZから2.3GHzへ向上しています。
Snapdragon710と比較して最大10%の性能向上をもたらし、効率的で手頃な価格で技術的に高度なマルチメディアおよび新たなモバイル体験を提供するとQualcommは伝えています。
オーディオ性能の向上
オーディオについては、Snapdragon 710で搭載していた機能に加え、新たにQualcomm独自の機能、“Qualcomm TrueWireless™ Stereo Plus technology”を搭載しました。
当機能は、QCC5100を搭載するワイヤレスオーディオ機器に接続する場合、ステレオ信号を左右に分割し、デュアルモノラルの状態で左右それぞれのイヤホンに直接信号を伝達するものです。これにより消費電力を10%削減するほか、接続待ち時間の短縮も期待できます。
今まではハイエンドSoCのSnapdragon 845しか対応していなかった“Qualcomm TrueWireless™ Stereo Plus technology”ですが、ミドルレンジSocのSnapdragon 712も対応するということになります。
QCC5100搭載オーディオ機器が増えてきて完全ワイヤレスイヤホンの普及が拡大している現在、ユーザーにとっては新たな選択肢となるのではないでしょうか。
Qualcomm Quick Charge 4+対応
Snapdragon 710ではQualcomm Quick Charge 4の対応でしたが、Snapdragon 712ではQualcomm Quick Charge 4+対応となりました。わずか15分でバッテリーを0から50%まで充電することが可能であると伝えています。充電性能の向上は実感しやすい部分であるため、嬉しいアップデートです。
さらにQuick Charge 4+はバッテリー寿命を最適化するようにも設計されているとのことです。
優れたカメラ性能
Snapdragon 712では最大32MPのシングルカメラと20MPのデュアルカメラをサポートする“Qualcomm Spectra™ 250 image signal processor”を備えています。電子式手ブレ補正機能を備えた4K UHDビデオも録画可能です。
当機能はSnapdragon 710から性能の変化はありませんが、鮮やかで高品質の写真や4Kビデオをキャプチャして表示することができるので、豊富で深いグラフィックを楽しむことができるとのことです。
マイナーアップデートではあるが着実な進化
Snapdragon 712は710と比較しても変更点は少なく、マイナーアップデート程度の変更です。ただ、Snapdragon 845と同新機能を搭載しているなど、ミドルレンジSoCの中でもSnapdragon 600番台との良い差別化が図れるSoCとして期待できます。
現段階ではQualcommからSnapdragon 712搭載機器の告知はありませんが、国内ではSnapdragon 710搭載のOPPO R17 Proが既に販売されており、後継SoCであるSnapdragon 712搭載モデルが国内販売される日はそう遠くないかもしれません。
Source: Qualcomm
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