Snapdragon 865、144Hzリフレッシュレートといった正にゲーミングスマホらしいスペックに、Red Magic特有の冷却ファンを備えるRed Magic 5S。また、ノッチやパンチホールのない真のフルディスプレイとなっており、4500mAhというバッテリー、デュアルステレオスピーカー搭載などSNSやYouTubeなどのメディアプレイヤーとしてもバッチリです。
グローバル発売が公式サイトで始まっており、$579〜となります。
今回は、メーカーであるnubiaから実機を提供して頂きましたので、レビューをしました。前モデルRed Magic 5Gと比べソフトウェア面で改善も見られ、GPU、ストレージ性能も上がっており、前モデルを使用した筆者でも満足のいく仕上がりとなっています。
目次
化粧箱・付属品
内容物は
- 端末本体(保護フィルム装着済み)
- クリアケース
- USB Type-Cケーブル
- 18W対応充電器
- 取扱説明書
- 保証書
- SIMピン
となっています。取扱説明書は日本語での表記あり。前モデルRed Magic 5Gの箱はどちらかというとアーティスティックな様相を呈していましたが、今回はアメコミチックなテイストに。また、前モデルではついていなかったケースが同梱されているのは嬉しい点。
ただ、落下時などの衝撃吸収のためか角が飛び出ており、今までケースなしでRed Magic 5Gを使ってきた身としては、ショルダーボタン使用時に少し違和感があります。慣れれば問題ないのかもしれませんが、気になる方は別にケースを購入することをお勧めします。
また、ケーブルには前モデルにはなかった「neoCHARGE」の文字が刻印されており、端子の内側も赤色になりよりRed Magicらしさが出ています。
スペック
基本スペック | |
---|---|
ディスプレイ | 6.65インチ, 1080 x 2340, 有機ELディスプレイ, 388ppi |
サイズ | 168.6 x 78.0 x 9.8mm, 218g |
システム | |
OS | Android 10 |
Soc | Qualcomm Snapdragon 865 |
CPU | Kryo 585 8コア, 2.84 GHz |
メモリ(RAM) | 8GB / 12GB / 16GB |
ストレージ | 128GB / 256GB, sd_card microSDスロット無し |
カメラ | |
メインカメラ | camera_rear 64 + 8 + 2MP, F値/1.8, トリプルカメラ, LEDフラッシュ, PDAF |
メインカメラ特徴 | camera |
前面カメラ | camera_front 8MP, F値/2.0 |
センサ類 | 画面内指紋認証センサ, 加速度センサ, 近接センサ, ジャイロ |
機能 | 防水 非対応, イヤホンジャック あり |
バッテリー | battery_charging_full3.0, Type-C 1.0, 4500mAh |
より落ち着いたデザイン
デザインにおいて前モデルとあまり違いはなく、中央上からカメラ、Red Magicと刻まれたプレート(Agと書かれているが本当に銀かどうかは不明)、そして光るロゴ。前モデルではRed Magicの文字が下のロゴ同様光りましたが、今回はプレートに置き換わっており光りません。
また、この新色となるシルバーですが、背面がマットフィニッシュとなっており、ツルツルで指紋が付きにくくなっています。しかし、その分通常のガラスよりも滑りやすくなっているため注意が必要です。
地味に前モデルと違う点ですが、前モデルではLRトリガーや排気口などがそれぞれごとに凹んでおり少々凸凹していましたが、今回は横側が全体的に凹みフラットに。個人的にはこちらの方がすっきりとしていて好印象です。
またSIMトレイですが、こちらは変わらず表裏でNano SIM×2のみ。
美しいディスプレイ
ディスプレイも前モデルと変わらず2340×1080のAMOLEDディスプレイ。144Hzリフレッシュレート対応な点も変わらず。解像度に関しても、普段1440pのOnePlus 8 Proを使用していますが、1080pとの差は感じず全体的に何ら不満はありません。
また、端末上部には前モデル同様インカメラ、LEDインディケーター、スピーカー、光/近接センサーがあります。
Widevineは残念ながらL3と変わらず、ネットフリックスやAmazonプライムビデオにおいてHD画質での視聴はできません。
改善の見られるソフトウェア
OSはAndroid 10ベースのRed Magic OS V3.5となっています。iOSのようにインストールしたアプリが全てホーム画面に並べられるスタンダードとドロワーの2拓から選択できるのも前モデルと変わりません。
また、ホーム画面でどこでも下スワイプで通知画面が降りてくる機能が今回実装(Red Magic 5Gでも最新のアップデートで実装)されているのですが、おそらくバグだと思われますが、上記のスタンダードとドロワーを切り替えると使用できないようになります。再起動すれば直ります。アップデートで改善してほしいですね。
日本語に対応 (一部英語表記が残る)
前モデルと同じく日本語には対応していますが、やはり一部英語表記のままなのは変わらず。
指紋認証・顔認証
顔認証(2D)、画面内指紋認証ともに速度や精度は十分。顔認証は、暗い環境で画面の輝度を上げ認証しやすくする機能がありますが、容赦なく輝度マックスにしてきてまぶしいので個人的にはオススメしません。また、マスクをつけた状態では顔認証は解除できませんでした。
種類豊富なAlways On Display
果たしてゲーミングスマホで重要かどうかは定かではありませんが、Always On Displayは画像に限らず動画やGIFにも対応。種類豊富な上に、自分で好きな画像や動画などカスタムが可能です。ただ表示時間が最長60分と、Alwaysではない点は前モデルと変わっていません。
技適表示あり。だが、Red Magic 5Gとモデル名が同じ
前モデルはアップデートにて技適表示がされるようになりましたが、今回は元から表示が可能となっています。
しかし、気になり前モデルのものと見比べてみたところ、なんと技適の番号やモデル名「NX659J」が全く同じです。マイナーチェンジということで問題ないということでしょうか (Rakuten Miniのように周波数帯を変更した訳でないので。)
派手さが減ったライトエフェクト
基本どのゲーミングスマホにもついているロゴのライトアップ機能。前モデルではRed Magicの文字も光りましたが、今回は背面中央下のロゴのみと控え目に。それに伴い、設定の場所も一番最初の画面から詳細設定の中に移動しています。
処理性能・ゲーミング
Antutu
Antutuスコア(V8.4.3)は612042と、前モデルより約3万点ほど上昇。3回連続で回してみても、ゲームスペース上でやってみてもスコアは大して変わりませんでした。
nubia社長がTwitterでAntutuスコア約66万点と公表していますが、これはGPU Boostを行った上でのスコアでしょう。GPU Boost使用のためには別売りの外付けファンが必要なので、今回のレビューでは使用できませんでした。
前モデルと比べて値が上がったのはGPUとMEMの項目ですが、MEMはUFS3.0が3.1になったので当然として、GPUはおそらくGPU Boostなしでもある程度性能が向上していると思われます。
Game Space
端末左側上部の赤色のキーをオンにすると、ゲームスペースへと切り替わります。ここでは、冷却ファンの設定や録画設定、プレイ時間の確認などができます。
別売の外付けファンやコントローラーなどとの接続もここで可能です。
リフレッシュレート
ゲーミングスマホでは今となっては然程ユニークでもなくなった144Hzリフレッシュレート。60Hz、90Hz、144Hzの中から選択が可能となっています。
普段120HzのOnePlus 8 Proを使用しており、それと比べてより滑らかを明らかに実感できるほどの差ではありませんが、ゲームにおいてはコンマ1秒が勝敗を分けるためより高い方がいいのは確か。
現在は144Hzに対応したゲームは限られています。検証のためFPSモニターを使用し、いくつかゲームを遊んでみました。以下そのタイトルと最高fpsです。
- Real Racing 3 144fps
- Call of Duty Mobile 120fps
- PUBG MOBILE 120fps
- MINECRAFT 144fps
- Asphalt 9 120fps
- World of Tanks Blitzs 120fps(ゲーム内表示)
※検証に使用しているFPSモニターとゲーム内でのFPS表示が異なっていることがあるため、実際にそのfpsが出ていない可能性があります。あくまで目安程度にお受け取りください。(正確なFPS測定アプリや方法などご存知の方いらっしゃいましたら、是非コメント欄で教えてください。)
※他にこのゲームは何fpsまで対応しているかといった質問があればコメント欄にお寄せください。逐次追記させていただきます。
FPSで大活躍のショルダーボタン
ゲーミングスマホのアドバンテージの一つであるLRショルダーボタン。特にFPSではこれがあるとないとでは違います。
中には4本、6本指で操作をする方もいるみたいですが、通常2本指で操作をしていると移動、エイム、射撃とどうしてももたついてしまうことがあるため、それを解消してくれるこの機能は大変便利です。
4D Shock
そもそも対応しているゲームが限られているこの機能。対応ゲームであるPUBG MobileとAsphalt 9で試してみましたが、前者では何も手ごたえがなかった一方、後者では確かにゲーム内の音に応じて振動しました。
ただ、レース中に限らずパック開封時にも振動したので、このあたりがやはりまだまだといったところ。
UFS3.1ストレージ
現状最高規格のUFS3.1ストレージを搭載。Red Magic 5G(UFS3.0)と比較しても、明らかにより速くなっています。
バッテリー・充電速度・発熱
バッテリー容量は4500mAhと、他のゲーミングスマホと比べると少し小さいですが、それでもスマートフォン全体から見れば悪くない大きさ。バッテリー持ちも、6時間ほどYouTubeやゲーム、漫画などの使用で残量20%ほどと、前モデルと変わらず。ヘビーユーザーであれば1日、ライトユーザーであれば1日半から2日は持つことでしょう。
充電速度
充電速度は付属の18W充電器で満充電まで85分と、4500mAhという容量を考えれば妥当な結果に。手持ちのQuick Charge 4.0+(QC4.0+)対応充電器では50分とまずまずの速さ。
ただやはり本機は55W充電に対応しているため、最高速度で充電するためには別途対応充電器を買わなければいけないのが少々いただけないところです。
性能向上と引き換えに少し発熱しやすく
もはやRed Magicではお馴染みの冷却ファン。状況に応じてファンの強さを変えてくれる自動設定と常時マックスパワーでぶん回す設定の二つがあり、後者だと結構な音になりますが、夜中など静かな環境でなければ気にならないほどです。
肝心の冷却性能なのですが、Real Racing 3を1時間プレイして36.1℃と温かいなと感じる程度となりましたが、Antutuを3回回したところ38.0℃とほんの少し熱いレベルに。※サーモセンサーで背面の温度を計測
これでも悪くはないのですが、Red Magic 5Gではそれぞれ32.2℃、30.3℃であったことを考えると、GPU性能が向上したためかやや多く発熱するようになったように思えます。気になる方は別売の外付けファンも購入した方が良さそうです。
また充電中の温度は、高くても35.2℃とこちらは前モデルと変わりありませんでした。
音質
デュアルステレオスピーカーを搭載しており、音質は良いです。音量が非常に大きいのは前モデルと変わらず、普段は25%ほどで充分なレベルです。
ゲーミングスマホとしては悪くないカメラ性能
カメラ構成は以下の通りです。
- 6400万画素 IMX686 F1.8 1/1.72、メインレンズ
- 800万画素 F2.0、120°超広角レンズ
- 200万画素、マクロレンズ
こちらも前モデルと全く同じで、ゲーミングスマホであることを考えれば十分なスペック。普段使いのスマホとしても、そこまでカメラにこだわらないのであれば問題ないレベルと言えます。
カメラのUI
カメラのUIはよくも悪くも普通。横スワイプでモード切り替えはできますが、OnePlusのOxygen OSのようにモードの順番や表示非表示の切り替え等のカスタマイズはできません。
他にも様々なタイプのモードが存在。地味に前モデルにあった3Dがフリーズビデオなるものに変わっています。
メイン
前モデルと同じくIMX686を採用しており、白飛びといった目立つ点もなくなかなかの出来に。ズームにしても、ただのクロップでこれなので悪くないと言えるでしょう。
超広角
メインと比べ全体的に暗く、色調もどちらかというと冷たい感じに。また、超広角レンズで撮影するためには、前モデルと同じくプロモードからでしか撮影できません。
マクロ
正直ゲーミングスマホにマクロレンズがいるのかどうかと思いますが、一応最短2cmほどの距離で撮影が可能です。ただ200万画素であるためデティールに欠いており、かなり小さいものを撮影するのには向いていません。
ビデオ
ビデオは、メインカメラが8K、4K60/30fps、1080p60/30fps、720p、セルフィーカメラが1080p、720pでの撮影に対応。8K以外はスタビライゼーションがあり、これといって不満点はありません。
またRed Magic 5GにあったエンコードのHDR10フォーマットはなく、H264、H265の2つのみとなっています(Red Magic 5Gもアプデで消去)。
まとめ「コスパに優れるゲーミングスマホ」
Snapdragon 865搭載かつGPU Boostが可能で、144Hzリフレッシュレートや冷却ファン搭載などゲーミングスマホに必須な機能は全て揃っておりそのお値段約6.1万円($579で送料込み。)のRed Magic 5S。また、技適マークがあるため、大手キャリアでSIMのみ契約(5G)用の端末になります。
◎良い点
- 超滑らかな144Hzリフレッシュレートディスプレイ(6.65インチAMOLED)
- 大迫力のデュアルステレオスピーカー
- FPSで大活躍のショルダーボタン(320Hz)
- ノッチもパンチホールもない真のフルディスプレイ
- 前モデル(Red Magic 5G)から改善が見られるソフトウェア
- その他前モデルからの確実な進歩
- GPU性能の向上とメモリの高速化(Antutuスコアで₊3万点)
- Red Magic史上最高の冷却機能
×残念な点
- 55W充電をするためには充電器を別途購入する必要がある上、公式サイトで現状日本への発送に対応していない
- GPU性能向上と引き換えに少し発熱するようになった
- OSサポートがまだまだ短い
前モデルRed Magic 5(G)を既に保有しているユーザは、新たに約6万円支払ってRed Magic 5Sを購入する必要があるか、慎重に検討されたほうがよいでしょう。一方、ゲーミングスマホ未所持あるいは旧世代所持で、あまり高くない最新のゲーミングスマホが欲しいという方にはオススメできる一台です。
また、日本の大手通信キャリアが取り扱っている5Gハイエンド機(Snapdragon 865搭載)が軒並み10万円超えであることを考えると、遜色ないスペックを持つ5Gハイエンド機(技適も取得済み)Red Magic 5Sは破格と言えるかもしれません。
→ Red Magic公式サイトはこちら (グローバル販売中)
Red Magic 5Sについて、何か質問があればコメント欄あるいは私のTwitter(@Kohei_SP)までお寄せください。可能な限り返信させていただきます。
お、赤魔実機レビューきたわね
てっきりどぎついカラーの方だと思ってた