Snapdragon 865、144Hzリフレッシュレートや冷却ファンなどとゲーミングに特化し現状最高スペックを誇るRed Magic 5G。さらに今となっては珍しいノッチ・パンチホールのない真なるフルディスプレイを搭載し、非常に魅力的な機種となっています。
今回は、メーカーであるnubiaから実機を提供して頂きましたので、レビューをしました。OS等UI面で改善余地はあるものの、ゲーミングスマホとしては2020年4月現在最高峰であることは間違いなく、カメラスペックも高いためメインスマホとしても使える一台だと思います。
【2020年7月28日追記】
最新のアップデートで筆者のヨーロッパモデルでも技適の表示されるようになりました。
【2020年9月6日追記】
後継モデルRed Magic 5Sのレビュー記事公開
目次
化粧箱・付属品
内容物は
- 端末本体
- USB Type-Cケーブル
- 18W対応充電器
- 取り扱い説明書
- SIMピン
となっています。取り扱い説明書は日本語での説明もあります。特徴的な箱のデザインですが、罗杰(ロジャー)氏による幻想という作品のようです。
またケースは付属しておらず、この端末のカラーは黒で端末背面は流行りのマットガラスではなく通常の指紋の付きやすいガラスであるため、気になる方はケースも購入することをお勧めします。他の色についても、実機画像や動画を見る限り同様に指紋の付きやすいガラスのようです。※保護フィルムは元から装着済み
そしてRed Magic 5Gは55W充電に対応していますが、付属充電器は最大で18W対応であるためより速く充電したい方は別途購入する必要があります。
スペック
基本スペック | |
---|---|
ディスプレイ | 6.65インチ, 1080 x 2340, 有機ELディスプレイ, 388ppi |
サイズ | 168.6 x 78.0 x 9.8mm, 218g |
システム | |
OS | Android 10.0 |
Soc | Qualcomm Snapdragon 865 |
CPU | Kryo 585 8コア, 2.84 GHz |
メモリ(RAM) | 8GB / 12GB / 16GB |
ストレージ | 128GB / 256GB, sd_card microSDスロット無し |
カメラ | |
メインカメラ | camera_rear 64 + 8 + 2MP, F値/1.8, トリプルカメラ, LEDフラッシュ, PDAF |
メインカメラ特徴 | camera |
前面カメラ | camera_front 8MP, F値/2.0 |
センサ類 | 画面内指紋認証センサ, 加速度センサ, 近接センサ, ジャイロ, コンパス |
機能 | 防水 IPX 5, あらゆる方向からの噴流水を受けても問題なし, イヤホンジャック あり |
その他特徴 | ハイレゾ対応, クーリングファン内蔵 |
バッテリー | battery_charging_full3.1, Type-C 1.0, 4500mAh |
ゲーミングスマホらしいデザイン
中央にはカメラ、光るREDMAGICの文字そしてロゴが配置されており、そこから四隅に向かって赤い線が伸びておりザ・ゲーミングスマホといったデザインです。中央両端にはPOWERED BY NUBIA、5Gとの記載が。こちらは光りません。
電源ボタンや音量ボタンが全体的に見ると中央に配置されており最初は戸惑ったものの、片手で持った際に指紋認証とボタン類に親指が届く範囲となっているためちょうどいい位置と言えるでしょう。
SIMトレイはNano SIM×2のみ。表と裏それぞれにSIMをはめ込む形です。
美しいディスプレイ
ディスプレイは2340×1080、6.65インチで19.5:9のAMOLEDディスプレイ。AMOLEDなだけあって発色は綺麗で何も不満はありません。また端末上部にはインカメラ、LEDインディケーター、スピーカー、光/近接センサーがあります。また保護フィルムですが、最初から既に装着済みとなっています。
残念ながら、現状WidevineはL3です。
ソフトウェア:改善余地あり。今後のアップデートに期待
OSはAndroidベースのRed Magic OS V3.0となっています。アプリの配置ですが、iOSのようにインストールしたアプリが全てホームスクリーンに表示されるスタンダードとドロワーの2拓から選択できます。
Red Magic 5G ジェスチャー操作 pic.twitter.com/N5nRBASQka
— Kohei (@Kohei_SP) April 20, 2020
他メーカーの機種のように3本指下スワイプでスクリーンショットおよびロングスクリーンショットが可能。しかし、ホームスクリーンのどこでも下スワイプで通知画面が降りてこないため、一番上部分から下スワイプしなきゃいけなかったりとディスプレイが大きいことを考えると少々不便に感じる点も。
また、Magic UI(honor Magic 2)ではアプリからタスク画面への切り替えの上スワイプが間を置かずともある程度スワイプすればよいのに比べ、Red Magic OSでは間を置かなければタスク画面への切り替え操作と認識してくれずホーム画面に戻ってしまう点が少し気になりました。
それと、同じくギャラリーで共有するアプリを選ぶ際にMIUIやMagic UIでは横スライドで選択するのですが、Red Magic OSでは縦スライドなためよく間違えて横スライドしてつっかかっていまいます。OSの出来としては改善の余地があり、今後のアップデートに期待したいです。
日本語には対応、但し一部英語表記のまま
言語に関しては日本語に対応していますが、日本語に切り替えても一部表示が英語のままであるためその点は注意が必要です。
指紋認証、顔認証
Red Magic 5G 指紋認証 pic.twitter.com/6OC6VMUqtf
— Kohei (@Kohei_SP) April 20, 2020
画面内指紋認証を搭載しており、体感としてはかなり速い方だと思います。ただロック画面での解除と比べスリープ状態での解除の方がやや遅いように感じました。
Always On Display
本端末はAMOLEDディスプレイ搭載であるためAlways On Display(AOD)機能を備えています。ただし、端末をロックしてからAODが表示される時間が限られており、5分、15分、30分、60分の4拓の中から選択する必要があります。
しかしながら、AODで表示できるものが画像はもちろんGIFや動画など多岐にわたっており、さらにカスタム、つまり自分で好きな画像、GIFや動画などを設定することが可能。
ライトエフェクト(かっこいい)
Red Magic 5G ライトエフェクト pic.twitter.com/FA6N9MVFzD
— Kohei (@Kohei_SP) April 20, 2020
Red Magic 5Gはゲーミングスマホであり、他のゲーミングスマホのように端末背面にあるREDMAGICの文字、そしてロゴがゲーム時や音楽を聴いている時、通知や電話が来た時に光ります。
しかし、ロゴの方はスクリーンがついている時に光るか光らないかのワンパターンしか選べないため、もう少し自由度があればよかったといったところ。これらの機能がいらないという場合はもちろんオフにすることもできます。
処理性能・ゲーミング
Antutu
Antutuスコア(V8.3.0)は572594、ゲームスペース上で冷却ファン全開でやっても575989と大して変わらず。それぞれ3回ずつ続けて回しましたが、スコアが多少上がることはあれど最初のスコアを下回ることはありませんでした。
Game Space
端末左側上部にある赤色のキーをオンにすると、ゲームスペースへと切り替わります。ここでは、日/週のゲーム時間の確認や冷却ファンの設定などができます。
ゲーム中では右端から左スワイプでコントロールパネルを引き出し、リフレッシュレートの変更や通知、電話のブロック等様々な設定が可能。
リフレッシュレート
honor Magic 2(60Hz) vs Red Magic 5G(144Hz) 960fpsスローモーション pic.twitter.com/dxehFeEvfU
— Kohei (@Kohei_SP) April 20, 2020
Red Magic 5Gの売りは何と言ってもその144Hzリフレッシュレートディスプレイ。筆者は今まで60Hzリフレッシュレートの端末を使用してきましたが、その違いは明らかです。リフレッシュレートは60Hz、90Hz、144Hzの3段階を選択可能で、90Hzと比べてみても違いを体感できました。
ただし、現状は144Hzに対応したゲームは限られてしまいます。検証のためFPSモニターを使用し、いくつかゲームを遊んでみました。以下そのタイトルと最高fpsです。
- Real Racing 3 144fps
- Call of Duty Mobile 120fps
- PUBG MOBILE 144fps
- MINECRAFT 144fps
- Asphalt 9 120fps
- FORTNITE 30fps(ゲーム内表示)
- World of Tanks Blitzs 120fps(ゲーム内表示)
※検証に使用しているFPSモニターとゲーム内でのFPS表示が異なっていることがあるため、実際にそのfpsが出ていない可能性があります。あくまで目安程度にお受け取りください。(正確なFPS測定アプリや方法などご存知の方いらっしゃいましたら、是非コメント欄で教えてください。)
※他にこのゲームは何fpsまで対応しているかといった質問があればコメント欄にお寄せください。逐次追記させていただきます。
ショルダーボタン
端末右側に備わっているセンサー式のLRショルダーボタンですが、これがあるとないとではかなり違います。筆者はあまりFPSは得意な方ではないのですが、CoDではとても簡単にキルが取れました。逆にショルダーボタンなしでプレイしてみたところ、エイムしてから撃つといった操作でまごまごしてしまい非常にやりづらかったです。
4D Shock
ゲーム(一部のタイトルに限る)のサウンドと連動して振動するという機能のようですが、オンオフであまり違いは感じられませんでした。そもそも、普通に音楽をスピーカーから流している時でも音で端末が振動することがありました。
LPDDR5 RAM・UFS3.0ストレージ
PUBG MOBILEのアプリ立ち上げから初期のゲームデータの読み込み、スタート画面になるまでの時間を計測したところ、Red Magic 5G(UFS3.0)が1分5秒、honor Magic 2(UFS2.1)が1分32秒とその差は明らか。これからはUFS3.0以上を搭載したスマホじゃなきゃ満足できなくなりそうです。
バッテリー・充電速度・発熱
上のスクショはバッテリーが100%の状態から6時間ゲームや動画、SNS等をしたものになります。一日の終わりで19%となりましたが、ヘビーユーザーなら1日、ライトユーザーであったら1日半か2日持つといったところ。同じバッテリー容量であるRedmi Note 8 Proを使用していた時と比べて持たないかなとは感じましたが、リフレッシュレートを考慮すると妥当な結果でしょう。
リフレッシュレートによるバッテリー消費の違い
高リフレッシュレートで問題となるのがバッテリー消費の増加。試しに100%の状態からReal Racing 3を144Hz、90Hz、60Hzでそれぞれ1時間プレイしてみたところ、バッテリー残量は順に79%、85%、89%となりました。
しかし、ゲームをせずYouTubeやdアニメ、SNS等のみで144Hz、90Hz、60Hzそれぞれ使用したところどれもスクリーンオンタイムは9時間程とあまり変わりませんでした。リフレッシュレートの設定には、場合によって自動でリフレッシュレートを落としたり上げたりするとの記述があるため、そのような結果になったのかと思われます。
充電速度
充電速度は付属の18W充電器で満充電まで91分までと、18Wであることを考えると悪くないです。しかし、40Wや65Wなどの超急速充電が普通となった今ではやや遅く感じてしまいます。
またQuick Charge 4.0+(QC4+)に対応しているため、そちらでも計測してみたところ51分で満充電とまずまずの速さ。ただ本機は55W充電に対応しており、そちらは40分で満充電が可能と謳っています。55W充電器は付属していないため、できるだけ速く充電したいという方は55W充電器を別途購入しましょう。
発熱・冷却ファン
Red Magic 5G 冷却ファン 自動→最大 pic.twitter.com/GlbbbUrQwT
— Kohei (@Kohei_SP) April 20, 2020
Red Magic 5Gの売りの一つである冷却ファン。状況に応じてファンの強さを変えてくれる自動設定と常時マックスパワーでぶん回す設定の二つがあります。最大だと割と大きい音が出ますが、ゲーム中ではそこまで気にならないことでしょう。
肝心の冷却性能についても、CoD(120Hz)をプレイして1時間で27.0℃、2時間で27.8℃、Real Racing 3(144Hz)を1時間で32.2℃と温かいかなと感じる程度にとどまっています。
またAntutuを通常3回、ゲームスペース上3回の計6回回しても30.3℃と、冷却性能は非常に高いと言えるでしょう。 ※サーモセンサーで背面の温度を計測
充電時に自動でファンを回す設定があり、ファンの有無で充電速度は変わりませんが温度の方は無しで35℃を超える一方、有りでは上がっても31℃程に抑えられます。
音質
Red Magic 5G スピーカー 25%→50%→75%→100%(音量注意)
Tobu - Hope [NCS Release]https://t.co/CVbQSLuCOP pic.twitter.com/IUoSrdgMTl— Kohei (@Kohei_SP) April 20, 2020
デュアルステレオスピーカーを搭載しており、音質は非常に良いです。音割れなどもちろんなく、音量も普段は25%ほどで充分なほど。むしろ最大音量はかなりうるさいです。
カメラ性能は普通
カメラ構成は以下の通りです。
- 6400万画素 IMX686 F1.8 1/1.72、メインレンズ
- 800万画素 F2.0、超広角レンズ
- 200万画素、マクロレンズ
6400万画素や超広角、マクロレンズと一通りカバーしておりゲーミングスマホであることを考えれば文句のつけようがありません。ただマクロに関しては、OnePlus 7T Proのように超広角で兼用している機種もあるのでそこは望遠など他のレンズの方が良いかなと感じました。
カメラのUI
カメラアプリのUIは他メーカーのものとあまり違いなく、横スワイプでタブ切り替えが可能です。
カメラファミリータブには、定番のスローモーションやタイムラプス、パノラマから、星の軌跡を撮影できるスタートレイルなど様々なモードが存在。
メイン
IMX686のおかげか、思ったよりも良い写真が撮れました。ズームに関しても、望遠レンズ非搭載でこのクオリティは悪くないのではないでしょうか。
超広角
超広角ですが、通常のフォトモードでは使用できず、使用するにはプロモードにする必要があります。おそらくバグかと思われますが、試用中に気づかなかったのでしょうか。クオリティに関しては、いろいろと白飛びしていたりとミドルレンジの超広角と同レベルといったところ。
マクロ
200万画素であるためデティールには欠きますが、対象と最短2cmくらいの距離で撮影が可能。
ビデオ
ビデオは、メインカメラが8K、4K60/30fps、1080p60/30fps、720p、セルフィーカメラが1080p、720pでの撮影に対応。スタビライゼーションも悪くなく、クオリティは可もなく不可もなくといったところ。
8Kはスタビライゼーションがないため、立ち止まるかあるいはトライポッドなどを使用しての撮影に限った方が良さそうです。またエンコードのフォーマットがH.264、H.265、HDR10とあるのですが、HDR10にするとスタビライゼーションはなくなり色が過剰に鮮やかになるためH.264あるいはH.265にしておいた方が良いでしょう。
まとめ「現状最高のゲーミングスマホ」
スマートフォンでは世界初の144Hzリフレッシュレートディスプレイ、デュアルステレオスピーカーに冷却ファン&液冷を搭載し価格は約6.2万円と、今あるゲーミングスマホの中では最高峰と言えるのではないでしょうか。
特にショルダーボタンは便利で、ショルダーボタンなしのスマホではもうゲームをしたくありません。冷却ファンと液冷のダブル冷却も効果は抜群で、快適にゲームを続けられます。これぞ正にゲームのために生まれたスマートフォンです。
◎良い点
- 超滑らかな144Hzリフレッシュレートディスプレイ
- 大迫力のデュアルステレオスピーカー
- エイムも楽々ショルダーボタン
- 冷却ファンと液冷のダブル冷却が織りなす安定したハイパフォーマンス
- ノッチもパンチホールもない完璧なフルディスプレイ
×残念な点
- 別途購入する必要がある55W充電器
- 痒い所に手が届かないUI
- 指紋の付きやすい背面ガラス
個人的には、真なるフルディスプレイ(OLED)、高リフレッシュレート、Snapdragon 865と自分の理想のスマホにおおよそ合致しており、ゲーミングだけでなくメイン機としても使える一台です。
Red Magic 5Gについて、何か質問があればコメント欄あるいは私のTwitter(@Kohei_SP)までお寄せください。可能な限り返信させていただきます。
ゲームの方でリクエストいいでしょうか?
World of Tanks Blitzに120fpsの設定項目があるのですが選択・プレイはできますでしょうか?Playストアにてインストールできます。