Galaxy Tab S7+は2020年8月に発売されたタブレットで、12.4インチディスプレイやSnapdragon 865+を搭載しているのが特徴です。
投稿してくださったルーデル閣下様、ありがとうございました。
目次
Galaxy Tab S7+のスペック概要
基本スペック | |
---|---|
ディスプレイ | 12.4インチ, 1752 x 2800, 有機ELディスプレイ, 266ppi |
サイズ | 285.0 x 185.0 x 5.7mm, 575g |
システム | |
OS | Android 10 |
Soc | Qualcomm Snapdragon 865+ |
CPU | Kryo 585 8コア, 3.09 GHz |
メモリ(RAM) | 6GB / 8GB |
ストレージ | 128GB / 256GB, sd_card microSD最大1000GBまで独立スロット |
カメラ | |
メインカメラ | camera_rear 13 + 5MP, F値/2.0, デュアルカメラ |
前面カメラ | camera_front 8MP, F値/2.0 |
センサ類 | 画面内指紋認証センサ, 加速度センサ, 近接センサ, ジャイロ, コンパス |
機能 | 防水 非対応, イヤホンジャック なし |
その他特徴 | ANT+ |
バッテリー | battery_charging_full3.1, Type-C 1.0, 10090mAh |
購入について
購入の決め手
画面の大きなAndroidタブレットが欲しかった
購入場所・購入時期・購入価格
購入場所:Qoo10にて
購入時期:2020年10月
購入価格:およそ10万9,000円(クーポン込み)
購入モデル
Wi-Fi版、RAM 8GB、ROM 256GB
化粧箱・付属品
化粧箱は簡素で高級感はありませんが、厚手の紙でしっかりしたつくりだと感じました。Galaxy Tab S6の化粧箱と見比べてみましたが、箱の質感はほぼ同じでした。
同梱物は非常にシンプルで、充電器、ケーブル、SIMピン、各種説明書類のみとなっていました。S6のときはこれに加えてSペンの替え芯が付属していたので、S7+で付属されなくなってしまったのは少し残念に思いました。
本体デザイン
筐体は金属製で、側面が角張ったデザインになっています。
ボタン類の配置などは去年のGalaxy Tab S6から引き継がれており、本体背面にSペンの充電ユニットとカメラが備わりました。
左側面にキーボードカバー接続用の端子。
そして、右側面に電源ボタン、音量ボタン、マイク、SDカードスロット。
上面にはマイクとスピーカー。
底面にはスピーカーとType-C端子が備わっています。
Galaxy Tab S6とデザインを比較すると、ディスプレイ面についてはS6から配置が変更されたインカメラの位置が異なりますが、ベゼルの太さにはほぼ違いがないと感じました。どちらも8mm程度のベゼルとなっており、タブレットとしては細い部類だと思います。
背面から比較すると、ガラス仕上げになったSペンの充電ユニットや、カメラモジュールに追加されたライト、SAMSUNGロゴの配置などが異なっています。一方で背面のマットな質感などは共通しており、手触りもよく似た印象を受けました。
大きく異なるのは側面部分で、角張ったデザインに変更され、側面にヘアライン加工が施されたことにより、高級感が増していると感じました。
本体の質感に関してはS6でも十分に満足していましたが、S7+はさらに質感に磨きがかかり、より高級感を感じることができる仕上げになっていました。
また、12.4インチの巨大なディスプレイを搭載していますが、S6と比べても重量感があまり変わらず、むしろ「大きさの割には軽い」とすら感じるほどで、重さについては特に気になりませんでした。
ディスプレイ
ディスプレイは発色の鮮やかさや明るさなど文句無しで素晴らしく、さすがはSamsungといったところです。Galaxy Tab S6と比較してみましたが、ディスプレイの発色などは非常によく似ており、明るさだけはS7+がやや明るい程度の違いしかありませんでした(写真左がS7+、右がS6)。
なお、ディスプレイのリフレッシュレートは120Hzに対応しており、非常に滑らかに駆動します。しかしながら、60Hzでも十分滑らかに動くので、バッテリーの持ちを重視するのであれば、この機能はOFFにしてしまっても問題ないと思いました。
また、ディスプレイ性能とは直接関係しませんが、画面内指紋認証の精度が大幅に向上しており、S6のときはほぼ使い物にならなかった指紋認証が実用できるレベルになったのは非常に良かったです。
ソフトウェア・アプリ
ソフトウェアはOne UIらしく、画面録画やスクリーンショット時の編集機能など、便利な機能を多数備えています。また、設定画面などのUIも使いやすく、非常に完成度は高いと感じました。
また、One UIの特徴として、ホーム画面のウィジェットの種類や設定項目などが充実しており、ホーム画面をよくカスタマイズする方にはおすすめできると思います。
動作・ゲーム性能
動作は非常に快適で、あらゆるアプリが高速で動作します。Antutuベンチマークのスコアも約58万点と高いスコアをマークしました。
話題のゲームアプリ「原神」をダウンロードしてプレイしてみましたが、最高画質でもフレームレートの低下などはなく、快適にプレイすることが出来ました。
また、重い3Dゲームをプレイしているときでもそれほど発熱しない点も良かったです。
カメラ性能・写真サンプル
カメラ性能はタブレットの中では優秀な部類に入ると思いますが、やはり夜景などの暗い場面ではノイズや細部の粗さなどが目立つので、あくまで記録用と割り切って使うのは良いと思います。
しかしながら、昼間に風景などの撮影に使う分には十分に満足できる写真が撮れると感じました。
スピーカー・音質
スピーカー性能は素晴らしいの一言です。S6のスピーカーも非常に高い性能を持っていますが、聴き比べてみると、高音の伸びや臨場感などの点でかなり差があると感じました。
特に高音域については、S6は少し高音が刺さりやすい印象であるのに対し、S7+は高音域でもクリアな音質を維持している印象です。
電池持ち・充電速度の印象
私の主な使い方はブラウジング、動画視聴、ノート、ゲーム、Web会議などですが、電池持ちは120Hzの場合は画面ONで8時間程度、60Hzの場合は9時間30分程度でした。
120HzにするとS6よりやや電池持ちが悪くなりますが、60Hzでは互角か、ややS7+の方が良く持つといった結果になりました。
どちらにせよ、1日使う分には十分な電池持ちだと思います。
その他
・Sペン
S7+からSペンのレイテンシーが改善されましたが、これはS6のSペンと比較しても明らかな差を感じました。遅延が少なくなったことにより、書き心地が大幅に良くなったと思います。
また、S6のSペンは断面が楕円状で、やや持ちにくく感じていましたが、S7+のSペンは断面がほぼ円形で、より手に馴染む形状になった点も良かったです。
さらに、S7+はSamsung Notesアプリのアップデートにより、PDFファイルをNotesアプリで開くことで、PDFへ直接書き込むことが出来るようになりました。この機能は非常に便利で、PDFの資料を読みながら、気になった単語や文章などにマークしたり、余白にメモを取ったりするのに使っています。
・Samsung DeX
S7+はDeXモードをONにすることで、Windows PCのようなUIに切り替えることが出来ます。このDeXモードと純正Keyboard Cover、ワイヤレスマウスを組み合わせることにより、PCのように文書作成などを行うことができるのがS7+の特徴の一つになっています。
実際に純正のKeyboard Coverとロジクールのワイヤレスマウスを購入し、Office 365を契約して文書作成にS7+を使用してみましたが、正直なところ、本格的な文書作成までは出来ないと感じました。
私がこのような結論に至った最大の理由は、Officeのモバイル版の機能がWindows版と比較して大きく削られているという点です。特にWordに関しては、「数式」の機能がWindows版と比べて非常に使いにくく、「表」や「図形」の挿入もWindows版に比べて機能が削られていました。さらに致命的な点として、Word内の文章のコピー&ペーストをマウスで行うことが出来ません。コピー&ペーストは画面をタッチして行うしか方法がないという意味不明な仕様になっています。私はWord内でのコピー&ペーストをよく使うため、この仕様は非常に不便に感じました。
また、DeXモードにすると強制的にSamsungキーボードに切り替わりますが、このSamsungキーボードはGboardなどと比較すると日本語の変換精度が劣っており、誤変換が多く感じました。
全体的な印象としてソフトウェアの作りこみがやや甘く(Officeモバイルの仕様についてはMicrosoft社の問題ですが)、パソコンの代わりとして使うにはやや厳しいのではないかと感じました。
・Keyboard Cover
Galaxy Tab S7+はパソコンの代わりとして使うにはやや難しいと感じましたが、純正のKeyboard Cover自体は良くできていると思いました。
キーボードの打ち心地が非常によく、キーピッチも広めなので文字入力でストレスを感じる場面は少なかったです。また、キーボードを分離し、背面のカバーのみで運用することができるという点も使い勝手が良かったです。
まとめ
良い点
・Androidタブレットとしては最大サイズのディスプレイ
・高いスピーカー性能
・Sペンの書き心地が最高
・1日は十分に使える電池持ち
・One UIの使い勝手が良い
・処理性能が高く、3Dゲームでもフレームレートが落ちない
・発熱しにくい
悪い点
・文書作成には使いにくい
・Sペンの替え芯が付属しない
全体的な感想
Androidタブレットとしては最高クラスの価格の本機種ですが、処理能力、ディスプレイの品質、スピーカーの音質など、どの項目でも高いレベルにあり、弱点の少ない機種だと思います。また、前作Galaxy Tab S6で不満だったディスプレイのリフレッシュレート、Sペンのレイテンシー、指紋認証の精度などが改善されている点も良かったです。
一方で、売りの一つであるSamsung Dexを用いたパソコンライクな使い方については、ハードは良いですがソフトがまだ追い付いていない印象を受けたので、今後のアップデートに期待したいです。
2020年12月時点ではハイエンドAndroidタブレットの選択肢は非常に限られているので、性能の高いAndroidタブレットを求めている方には文句無しでおすすめできる機種だと思います。
評価:5点/5点満点
価格・購入先
Galaxy Tab S7+ 5Gの 6 GB/ 128 GB モデルの発売時の価格は日本円で約 113,000円でした。購入時の参考にどうぞ。現在、通販サイトでの購入が可能です。
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