Oneplus 7 Proは5月17日にOneplusによって発売されたハイエンドモデルとなります。そのOneplus 7 Proに搭載されているカメラの光学ズームは3倍と公表されています。しかし、実際は3倍ズームではなく2.2倍ズームだったとして、批判の声が上がっています。
光学3倍ズームが搭載されているのモデルはまだ希少ですが、光学2倍ズームになってしまうと今やそこまで珍しくありません。価格が半額以下のXiaomi Mi 9 SEにも搭載されています。OnePlus 7 Proの3倍の光学ズームに惹かれて購入した人には大きなダメージでしょう。
どういう事か
このようにOneplus 7 Proの公式ページには光学3倍ズームと書いてあります。
実際には光学ズームは2.2倍。Oneplus 7 Proでは、1300万画素のカメラで撮った写真を自動でトリミングし800万画素に解像度を落とすことでロスレス3倍ズームを実現していたのです。
なぜ嘘が発覚したのか
正直、2.2倍の光学ズームをデジタル加工で切り抜いて3倍にして見せても、一般人が気づくのは至難の技です。どうして今回の事実が発覚したのでしょうか?
1つ目の理由は単純で、同じズームレンズが使われているはずの2つのモードで写真の解像度が違ったからです。OnePlus 7 Proの望遠レンズはポートレート使用時にも使われています。つまり、ポートレートモードで撮影しても望遠カメラで撮影しても解像度は同じはずです。それなのにポートレートモード時が4160×3120の解像度を持っているのに対して、ズームカメラ時の解像度は3456×2304でした。
2つ目の理由は、先程述べたようにポートレートモードはズームレンズを使用しています。その為、通常モード時に光学ズームの倍率を上げていき望遠レンズに切り替えた時、ポートレートモードでの撮影時と焦点距離が同じになるはずです。しかし実際は全く別のものとなったからです。
Oneplusの反応
今回の件が明るみになった後、Oneplusは問題を報道したAndroidpoliceに対し、声明を寄せています。
Oneplus 7 Proはデジタルズーム無し・細部の犠牲無しの三倍ズーム機能を有しています。Oneplus 7 Proの望遠レンズは3倍ズームとポートレートモードという2つの主目的に活用されています。3倍ズームによって、望遠レンズは宣伝通りの8MPの写真を撮影可能です。ポートレートモードは望遠レンズのセンサーからの13MPを全て活用しています。
回りくどい文章ですが、要するにデジタルズームも行っておらず、公式サイト上の望遠レンズのスペックも8MPと表記している以上、誇大宣伝にはあたらず仕様である、という主張のようです。
しかし、あくまで13MPで2.2倍ズームしたものを8MPで3倍ズームで撮影したかのように表現する技術と純粋な光学三倍ズームは異なるもの。事実を正しく表すのであれば、「13MP望遠カメラを活用した精度の高いハイブリット3倍ズーム」と表現することが適切でしょう。
Oneplus 5発売時のCEOの発言と矛盾
Carl, how well does this answer apply to https://t.co/w7EVAy0cuu?
Specifically, @oneplus claimed 3x optical this time, but in reality, it's ~2.2x optical. If the remaining 0.8x is SmartCapture, why the 3x optical zoom claim? pic.twitter.com/NPiKjSxE2t
— Artem Russakovskii (@ArtemR) May 23, 2019
Oneplusは以前にも同じような問題で議論を巻き起こしています。それはOneplus 5を発売した時です。1.6倍の光学ズームに対応したOneplus 5はロスレスズーム2.0倍と言って販売され、CEOのカール・ペイ氏はロスレスズームと光学ズームは違うので誇大宣伝にはあたらないとTwitterで主張していました。
今回のOneplus 7 Proは完全に「光学3倍ズーム」と言って宣伝されています。2年前のモデルとスペックの解釈が違うのは消費者に対して不誠実ではないでしょうか?
Oneplus 7 Proのカメラ自体はDxO Markで世界3位の評価を得ており、品質は広く認められています。今回のような誇大宣伝で信用をなくす行為は止めてほしいものです。
Source: Androidpolice
消費者を前に堂々と誤魔化しを行う企業は、日常業務の中でも誤魔化しを積み重ねているケースが多い
いずれ大きな問題を引き起こす可能性がある