激化する格安SIM市場で、常に上位シェアに位置するOCNモバイルONE。しかし、CMなどで見かける機会が少ないため、名前は知っているけれど、どのような格安SIMなのかご存じない人も多いのではないでしょうか。
今回はtelektlistライターの森野がOCNモバイルONEの6つの特徴をリストアップし、辛口レビューしてみました。これらのポイントを押さえて、ぜひ格安SIM導入にお役立て下さい。
目次
OCNモバイルONEの6つの特徴
①老舗ならではの安心感
OCNモバイルONEは、NTTのグループ会社であるNTTコミュニケーションズが運営する格安SIMです。パソコンをお使いの方は、プロバイダの「OCN」として馴染みがある人も多いのではないでしょうか。
OCNモバイルONEは格安SIM黎明期の2013年にサービスを開始して以降長年に渡って市場をリードし、常にシェアトップに君臨してきた老舗中の老舗です。しかし、競争が激化した近年は徐々にシェアを失い、ここ数年は4位が定位置に。
かつての勢いが失速しつつあることに不安を覚える人もいるかもしれませんが、実は契約件数そのものは緩やかな増加傾向にあります。
実質的にはドコモのサブブランドに近い立ち位置なので、いつ倒産してサービス終了するかわからない、他社に吸収されてサービス自体が変わってしまうといった可能性は低いでしょう。長く使える格安SIMを探している人におすすめできます。
②高い通話品質&豊富なサービス
格安SIMの通話品質は正直言って微妙なところも多いですが、OCNモバイルONEはNTTのお膝元でもあるため、キャリアと遜色ない高品質を提供しています。通話品質は競合他社よりも頭1つ抜き出ています。日本のどこにいてもほぼ確実に電話が繋がるので、通話面における心配はないでしょう。
また、格安料金で長時間通話ができる「かけ放題」プランをはじめ、通話に重点を置いたサービスの豊富さも魅力の1つです。通常は通話料20円/30秒ですが、「OCNでんわアプリ」を使えば通話料が10円/30秒になるなど、国内通話料が半額になるのも嬉しいポイントですね。
アプリ名:OCNでんわ
提供:NTT Communications Corporation
Androidにダウンロード
iPhoneにダウンロード
③通信速度はやや遅め
OCNモバイルONEの回線はドコモ回線のみ。通話と同様に全国の幅広いエリアで繋がりますが、複数のキャリア回線を提供しているmineoなどの競合他社より選択肢はありません。
さて、OCNモバイルONEはNTTのお膝元であるということで通信速度も速いのではと期待してしまいますが、実は競合他社のドコモ回線よりも遅いです…。
keisoku.ioの直近1週間分(2020年2月8日~14日)の計測結果によると、特に昼頃かなり遅い傾向にあります。反面、夕方~夜頃は安定しています。
もちろん、計測した場所によっても結果は異なりますが、総合的に見ると平均よりもやや遅い通信速度と言えるでしょう。
日付 | 通信速度 | |||
朝 (8時~8時30分) | 昼 (12時15分~12時45分) | 夕方 (17時30分~18時) | 夜 (19時~22時) | |
2月8日 | 7.1 Mbps | 1.1 Mbps | 1.1 Mbps | 8.8 Mbps |
2月9日 | 5.7 Mbps | 3.3 Mbps | 6.8 Mbps | 6.5 Mbps |
2月10日 | 4.5 Mbps | 0.3 Mbps | 1.0 Mbps | 6.3 Mbps |
2月11日 | 8.2 Mbps | 2.2 Mbps | 5.4 Mbps | 9.6 Mbps |
2月12日 | 3.0 Mbps | 0.3 Mbps | 0.7 Mbps | 2.1 Mbps |
2月13日 | 2.2 Mbps | 0.3 Mbps | 0.7 Mbps | 3.2 Mbps |
2月14日 | 1.4 Mbps | 0.2 Mbps | 0.1 Mbps | 0.1 Mbps |
④月額料金は平均水準
OCNモバイルONEは、「音声通話SIM」、「SNS対応SIM」、「データ通信専用SIM」の3種類を提供しています。音声通話SIMとSMS対応SIMの月額料金は格安SIMの平均価格帯と同程度ですが、データ通信専用SIMは平均よりもやや割高です。
また、OCNとプロバイダ契約している場合は「OCNモバイル光割」が適用され、OCNモバイルONEの月額料金が値引きされます。競合他社の同様の値引きは1年前後で終了してしまうことも多いですが、OCNモバイルONEの場合は、OCNに加入している限り半永久的に適用されるのでかなりお得です。
⑤人気端末のセットがお得!
OCNモバイルONEは、iPhoneシリーズやZenfoneシリーズなどの人気端末を手堅く揃えています。
特にiPhoneに力を入れており、中古端末のみの取扱も多い競合他社も多い中、メーカー認定整備済み端末をラインナップしているので、安心して購入できるのもポイントが高いです。また、MNPを利用すれば端末価格が値引きされる点も魅力です。
⑥音楽好きなら必見! カウントフリーで通信量節約!
キャリアや格安SIMの目玉となっている、特定のサービス利用中の通信量が無料となるカウントフリーサービス。OCNモバイルONEは、「Sootify」「Amazon Music」「AWA」「LINE MUSIC」など、9つの人気定額制音楽サービス利用中の通信量が無料になる「MUSICカウントフリー」を提供しています。
しかも、同サービスを利用するにあたっての追加料金は一切発生しません。
ただし、LINEモバイルなどのように自動的にカウントフリーの対象になるのではなく、別途公式サイトの専用ページから申し込みが必要となります。サービス紹介ページメニューにリンクが貼られているわけではなく、トップページにリンクがあるので一見すると探しにくいのが難点です。
まとめ:優等生だが決め手に欠ける
OCNモバイルONEのメリットとデメリットをまとめると、以下の通りです。
メリット
- 老舗ならではの信頼性と手厚いサポート
- 高い通話品質
- 通話関連のサービスが充実している
- スマホのラインナップが充実
- OCN光モバイル割で月額料金が安くなる
- 最低利用期間及び解約違約金がない
- 9つの定額制音楽配信サービスの通信料が無料(※別途申し込みが必要)
デメリット
- データ通信専用SIMの月額料金が割高
- 一部時間帯では通信速度が遅い
- 回線の種類がドコモのみ
これらのメリットとデメリットを踏まえると、OCNモバイルONEは以下の人に向いています。
- 音声通話をする機会が多い人
- ご家庭のプロバイダでOCNを利用している人
- 他社からの乗り換えを検討しており、新しく端末も購入したい人
- 定額制音楽配信サービスを1日数時間以上利用するヘビーユーザー
近年はLINEで通話する人が大変多いため、OCNモバイルONEが本来得意とする音声通話をアピールポイントとして活かすには少々厳しい環境であることは否めません。
定額制音楽配信サービス利用中の通信量が無料になる「MUSICカウントフリー」のように、サービス内容も決して悪くはないのですが、競合他社が提供するドコモ回線と比較するとやや見劣りしてしまいます。
ただし、OCNでプロバイダ契約をしていれば音声通話SIMは業界最安値水準となるので、格安SIMをより安い価格で運用したいなら十分選択肢に入るでしょう。
最大の懸念事項と言えば通信速度ですが、一部時間帯を除けば比較的問題ない範囲です。繋がりにくい時間帯に注意すれば、ゲームや動画視聴も問題ないでしょう。
OCNモバイルONEは公式サイトからの申し込みがお得!
OCNモパイルONEは、全国の家電量販店の専用カウンターでも申し込みできますが、公式サイトからの申し込みの方が混み合わずスムーズです。
Amazonや楽天などのネットショップや家電量販店で販売されている「エントリーパッケージ」を使えば、初期手数料3,000円が割引されるのでお得です。
格安SIMを検討している方は、ぜひOCNモバイルONEも候補に加えてみてはいかがでしょうか。
辛口レビューシリーズもっと欲しい
実に参考になるんす