iPhone 15シリーズが現地時間9月12日に正式発表され、既に発売開始されています。発表前はiPhone 14シリーズからの値上げが予想されていましたが、アメリカ価格($ベース)については基本的に価格据え置きとなりました(iPhone 15 Pro Maxは、128GBストレージ・オプションが廃止となった関係で最低価格が切り上がりました):
- iPhone 15: 799ドル~
- iPhone 15 Plus: 899ドル~
- iPhone 15 Pro: 999ドル~
- iPhone 15 Pro Max: 1,199ドル~
なお、サムスン等の競合Androidメーカーが、Appleに「追随」して、次世代フラッグシップ機の価格を据え置きできるのかは不透明です。Android陣営は、チップ調達コスト等の上昇により、フラッグシップ機価格の値上げに踏み切る可能性も十分あります。
iPhoneが既に50%超の市場シェアを握るアメリカにおける、iPhoneの主なライバルはGalaxy機となります。仮にGalaxyブランドの次期フラッグシップ機(Galaxy S24シリーズ)が値上げとなった場合、価格を据え置いたiPhone 15シリーズの人気が高まり、iPhoneシェアが3分の2に近づく可能性も十分ありえます。
日本市場においてもアメリカ市場同様にiPhone一強
日本においても、iPhoneはアメリカ同様に一強体制でシェア50%近くを維持しています。なお、2位以下のAndroidメーカーの中では、Google Pixelが頭一つ抜けつつあります。
AppleがiPhone 15シリーズで強気の値上げ路線を採用しなかったことにより、日本におけるiPhoneシェアも更に上がって50%を大きく超えてくる可能性も十分あります。また、日本においては、複数のAndroidスマホメーカーが市場から撤退(・脱落)しており、iPhoneの存在感は高まる一方です。
iPhoneが市場の3分の2を支配することによるリスクも
Apple-iPhoneは、商品性の強化など正当な企業努力により、日米市場で高い市場シェアを拡大しています。にも関わらず、市場シェアが高くなりすぎると、規制当局の監視が強まるのも確かです。例えば、(日本の)公正取引委員会は、Apple(iOS)やGoogle(Android)が運営するアプリストアにおいて、AppleやGoogleが競争環境を歪めていないかの調査を2023年の前半に実施しています。
日米市場において、iPhoneシリーズがAndroid陣営を「圧倒しすぎる」ことは、Appleにとってリスク要因にもなりえます。なお、世界市場全体でみると、Appleの市場シェアは20%前後に留まっています。
普通に健全な競争を続けると、iPhoneシェアは、日米市場およびその他の世界市場で上昇していきそうです。が、各国の規制当局の動きがAppleの勢いを削ぐ形になる十分ありそうです。日本とアメリカをはじめとした規制当局の動向には注目です。
Source:counterpointresearch.com, 公正取引員会
おでんがおいしい季節に