写真は総務省です
携帯電話料金の値下げを議論する審議会の有識者ら少なくとも8人が、総額4000万円超えの寄付をNTTドコモとKDDIから受け取っていたことを共同通信が報道しています。
寄付金額は過去8年間で合計4330万円に上っています。受け取ったことが明らかになっているのは30人の有識者委員のうち8人で、全員が国立大学教員です。該当の審議会である可能性が高い「モバイル市場の競争環境に関する研究会」の委員中の国立大学教授は丁度8人で、委員名簿から全員の名前が確認できます。
当該分野の研究者が大手企業から研究費の支援を受けること自体は珍しいことではなく、違法性はありませんが、携帯電話料金値下げなどを議論している審議会の参加者であるにもかかわらず寄付を受けていた点で委員として利益相反にあたることは明白です。
ただ、8年間で8人に4000万円なので、大学教授という立場を考慮すると賄賂としては少ないでしょう。また、審議会前からの寄付も含まれていることや、8人中2人が自主的に公表していることから考えても、寄付を受けている立場であるにもかかわらず審議会の役職を引き受けたことはもちろん問題なのですが、故意の贈収賄という線は薄そうです。
むしろ問題なのは総務省の人選と対応で、NTTドコモとKDDIの2社から有識者らへの寄付があったことを総務省側が把握も公表もしていないことは利益相反・中立性への配慮が甘かったと言わざるを得ないでしょう。審議会のメンバーと議論の見直しは避けられないのではないでしょうか。
Source: 共同通信
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