スマホ史上初となる165Hzリフレッシュレートに対応し、Snapdragon 888や最大18,000rpmもの冷却ファンを搭載するRed Magic 6。
最近ではゲーミングスマホでありながらパンチホールを採用する機種もある中、当機種は依然としてフルディスプレイを貫いており、そのデュアルステレオスピーカーや5,050mAhというバッテリー容量も相まってメディア用としても満足のいく仕様となっています。
今回は、メーカーであるnubiaから実機を提供して頂きましたので、レビューをしました。ソフトウェア面ではまだ改善が必要ではあるものの、前モデルからの改善が見られ、その冷却性能も期待通りで、Snapdragon 888搭載の最新ゲーミングスマホを求めている人必見のモデルとなっています。
目次
化粧箱・付属品
内容物は
- 端末本体(保護フィルム装着済み)
- クリアケース
- USB Type-C to Cケーブル
- 30W対応充電器
- 取扱説明書
- 保証書
- SIMピン
となっています。同様取扱説明書は日本語表記あり。化粧箱のデザインは、Red Magic 5Gおよび5Sではアーティスティックであったりアメコミチックなど特徴的なものとなっていましたが、今回はロゴと「Red Magic」の文字が鎮座する非常にシンプルなものに。
ケースも前モデル同様付属しており、筆者が気になっていた角の出っ張りは無くなり個人的にはグリップがしやすくなりました。
またケーブルは遂にUSB Type C to Cとなり、付属充電器も18Wから30Wに。ケーブルの端子部分についていた「neoCHARGE」の刻印は今回ありません。
スペック
基本スペック | |
---|---|
ディスプレイ | 6.8インチ, 1080 x 2400, 有機ELディスプレイ, 387ppi |
サイズ | 169 x 77.1 x 9.7mm, 220g |
システム | |
OS | Android 11 |
Soc | Qualcomm Snapdragon 888 |
CPU | Kryo 680 8コア, 2.84 GHz |
メモリ(RAM) | 8GB / 12GB |
ストレージ | 128GB / 256GB, sd_card microSDスロット無し |
カメラ | |
メインカメラ | camera_rear 64 + 8 + 2MP, F値/-, トリプルカメラ, LEDフラッシュ, PDAF |
前面カメラ | camera_front 8MP, F値/- |
センサ類 | 画面内指紋認証センサ, 加速度センサ, 近接センサ, ジャイロ, コンパス |
機能 | 防水 非対応, イヤホンジャック あり |
バッテリー | battery_charging_fullType-C, 5050mAh |
ゲーミングらしさが増したデザイン
デザインは前シリーズと比べ、よりゲーミングらしいものに。カメラモジュールは六角形から四角形となり、仲間外れにされていたマクロレンズもモジュール内に収まっています。
フラッシュライトは今回その下に配置され、形も逆三角形になりここからもゲーミングらしさを感じられます。
中央の「Red Magic」文字は前モデル同様光らず、光るのはその下のロゴおよび左右のバーのみとなり、前モデルよりは光る箇所が増加。
また背面は指紋が付きやすい通常のガラスとなり、マットフィニッシュを好む筆者としては残念ですが、ゲーミングスマホにおいてはグリップが重要であることを考えるとこちらの方が良いと言えるでしょう。
前モデルからの変更点として、電源ボタンと音量ボタンが同じサイドにあったのが左右に分割、そしてドックピンがなくなっています。
その大きさから電源ボタンと音量ボタンを押し間違えることが多々あったため、これは地味にありがたい変更点です。
SIMトレイは、変わらず表裏でNano SIM×2のみ。
大きくなったディスプレイ
ディスプレイは1,080pと解像度は普通ですが、サイズは6.8インチと少々大きめに。(前モデルは6.65)。リフレッシュレートはスマホ史上初の165Hzとなっています。
端末上部のインカメラは光/近接センサー同様右側に配置(前モデルは左側)。また前モデルにあったLEDインディケーターはありません。
また上下ベゼルは前モデルと比べ少しスリムになり、見た目もスッキリしたように感じます。
WidevineはL1となっており、ネットフリックスやAmazonプライムビデオにおいてHD画質での視聴が可能です。
まだ改善が必要なソフトウェア
OSはAndroid 11ベースのRed Magic OS 4.0となっています。ホーム画面のアプリ表示は、iOSのようにインストールしたアプリが全てホーム画面に並べられるスタンダードと、ドロワーの2拓から選択可能。
ちなみに、前世代のRed Magic 5Gおよび5Sは執筆時点で2021年3月のセキュリティアップデートが配信されています。
指紋認証・顔認証
指紋認証および顔認証(2D)は、速度と精度どちらも十分早く、問題ありません。
また指紋認証に関しては、センサーの位置が前モデルと比べより上の方になっており、個人的には届きやすくなったように思います。
顔認証についても、マスク有でロック解除が可能でこのご時世には有り難い仕様となっています。
まだ違和感がある日本語表記
日本語に対応し、前モデルで見られた英語表記も日本語になってはいるものの、機械翻訳なのか所々違和感があったり、誤字脱字などが見られました。基本的に使用に支障はありませんが、まだ改善は必要と言えるでしょう。
Bluetoothは何処へ
どこのメーカーのUIでも、通常設定の最初の画面にあるはずのBluetoothですが、何故か「より多くの接続方法」の中に移動してしまっています(前モデルでは最初の画面にあり)。
通知画面のショートカットから飛ぶこともできるため、そこまで不便というわけではありませんが、最初はどこにあるか分からなかったため少し困惑しました。
通知画面の謎挙動
これは前モデルでもそうだったのですが、通知画面をスクロールしている際に勝手に一番上に戻ってしまうことがあります。
謎のプリインブラウザ
プリインストールされているアプリはGoogle系や、システムアプリなど他のメーカーと大差ありませんが、何故か「NextWord Browser」なる謎のブラウザアプリがプリインされており、デフォルトブラウザとなっていました。
アンインストールもできず、そもそもChromeもプリインされているためその存在意義がよく分かりません。
さらにRed Magic 5Sおよび5Gにおいて最新のソフトウェアアップデートをしたところ、同アプリがインストールされ、同じようにアンインストール不可となっています。
他には、「Transfer」なるデータ転送アプリがプリインされていましたが、こちらはnubia純正のようで、アンインストールも可能でした。
技適表示あり
日本正規代理店を設けているため当然と言えば当然ですが、前モデルより引き続き技術適合証明を取得済み。デバイス情報の認証マークより表示が可能です。
ライトエフェクト
ゲーミングスマホではお馴染みのライトエフェクト。ロゴと中央端の計3か所が通知、音楽やゲーム中などにライトアップ。もちろん設定でカスタマイズ可能ですが、ロゴに関しては色は赤一色のみでパターンも常時点灯か点滅の2種類のみとなっています。
処理性能・ゲーミング
Antutu
Antutuスコア(v9.0.7-OB)は797,452点と、Snapdragon 888搭載機としてはまずまずの高スコアに。
Snapdragon 865搭載のRed Magic 5Sの同バージョンでのスコアは648,107点で、主にGPUにおいて大幅に性能が向上しています。
ゲームスペース
どのゲーミングスマホにも実装されている、ゲーム専用スペース。前モデルと比べその大まかな仕様に変更はありませんが、ゲーム中にブラウザやSNSアプリを別ウィンドウで表示できる機能が全てのアプリ上で使用可能となり、ショートカットも分かりやすくなっています。
スマホ史上初の165Hzリフレッシュレート
本機の特徴の一つでもある、スマホ史上初となる165Hzリフレッシュレート。
設定では60、90、120、165Hzから選択が可能ですが、どれを選んでもアプリによっては自動で適切なリフレッシュレートに切り替わる仕様となっています。
ただこの切り替えが極端で、Chromeやインスタグラムだと60Hzになり、せっかくの高リフレッシュレートが味わえず、ホーム画面に戻る際のリフレッシュレートの切り替えでラグくなったように感じます。
実際に165Hzと144Hzを比べてみてもそこまで違いが体感できず、対応しているメジャーなゲームも少ない中165Hzを採用する必要性は薄いとは思いますが、少しでもゲームで有利に立ちたいという人にはうってつけと言えるでしょう。
またいつもの如く、FPSモニターを使用しいくつかのゲームを遊んでみました。以下そのタイトルと最高FPSです。
- アスファルト 9 120FPS
- World of Warships Blitz 120FPS
- Real Racing 3 165FPS
- PUBG MOBILE 90FPS
- ブロスタ 166FPS
- Minecraft 90FPS
- World of Tanks Blitz 120FPS
- Call of Duty Mobile 120FPS
※他にこのゲームは何FPSまで対応しているかといった質問があればコメント欄にお寄せください。逐次追記させていただきます。
ショルダートリガー
ゲーミングスマホを、ゲーミングスマホたらしめる一つの要素であると言っても過言ではないショルダートリガー。
モバイルFPSゲームにおいてはこれがあるとないとでは月と鼈と言っても過言ではありません。
そのタッチサンプリングレートは前モデル比25%アップの400Hzとなっており、反応速度は十分。5Sと並べて比べてみましたが、確かに気持ち少し反応が速くなったように感じます。
バッテリー・充電速度・発熱
バッテリー容量は5,050mAhと前モデルより550mAH増加し、大容量に。
肝心のバッテリー持ちは、165Hzリフレッシュレートと大きくなったディスプレイのせいか、残量20%の時点でスクリーンオンタイムが5時間程(YouTube、ゲーム、SNS、漫画閲覧などのライトユース)と、通常のスマートフォンと比べても少々低めに。
ライトユーザーであれば1日は持つとは思いますが、一日中ゲームをするなどといったヘビーユースだと少々物足りなさを感じるかもしれません。
ただ、当機種はXperia機などに見られるバイパス充電に対応しているため、充電したままバッテリーに負荷をかけることなくゲームをプレイするといったことなども可能です。
充電速度
充電速度は付属の30W充電器で満充電まで70分と、その容量を考えれば普通の速さ。
これは前モデルも同様でしたが、当機種は最大66W充電に対応しているため、最高速度で充電するためには別途対応充電器の購入が必要な点がやはりいただけないといったところ。
発熱
最大18,000rpmの冷却ファン含め、6層からなる冷却機構が備わっているだけあり、実際に充電中においても、ピーク時で35℃を少し超える程とその冷却性能は流石といったところでしょうか。(サーモセンサーで一番熱い部分を計測)
話題のゲーム、原神を中設定で1時間程プレイしてみたましたが、端末温度は最高でも38℃を少し超える程度となりました。
一方、最高設定で同様にプレイしたところ最も熱い部分では48℃程、全体としても40℃以上に。熱くて持てないという程ではありませんが、原神が高負荷のかかる重量級ゲームであることを考えると、その辺りはパフォーマンスとのトレードオフと考えるしかないのかもしれません。
ただ、筆者は普段World of Warships Blitzやブロスタといった軽~中程度のゲームをしていますが、それらでは温かくなっても38℃と、40℃を超えることはありません。
音質
ステレオスピーカーを搭載しており、音質は音割れなどもなく良いです。音量は前モデルと変わらず大きく、普段の使用では2、3割で十分なほど。
ゲーミングスマホとしては悪くないカメラ性能
カメラ構成は以下の通りです。
- 6,400万画素 Samsung ISOCELL GW3(S5KGW3)f/1.79、メインレンズ
- 800万画素 SK Hynix HI846 f/2.2 120°、超広角レンズ
- 200万画素 OmniVision OV02A10 f/2.4、マクロレンズ
構成および画素数については前モデルと変わりありませんが、何故かメインレンズがソニーのIMX686よりサムスンのISOCELL GW3に変更となっています。
カメラアプリのUI
カメラアプリのUIは、横スワイプでモード切替など至って普通。ただ依然として超広角レンズが「プローショット」内でしか使用できないため少々不便です。
シーンによって、夜景モードやマクロモードへの切り替えを促す表示もあり、そこら辺はしっかしとしているといったところでしょうか。
メイン
ソニー製からサムスン製に変わるも、そのクロップズーム性能に関しては変わらず悪くない出来に。実際に目で見た景色と比べ少し青っぽいようにも感じましたが、極端ではなくそこはやはり個々の好みに寄ってくることでしょう。
またHDRはデフォルトでオートになっており、オンで撮ると上画像のようにGoogle Photosが自動で加工したような出来栄えになるため、こういった画があまり好きでない人はオートないしオフにしておいた方が良さそうです。
超広角
超広角は800万画素と少々ディテールに欠けますが、ゲーミングスマホである点を考えると悪くはありません。
またメインレンズが変わったからか、超広角とメインレンズの色温度の差は前モデルと比べ小さくなったように見えます。
マクロ
ゲーミングスマホにおいては更にその必要性に疑問を抱くマクロレンズ。一応マクロと名に付いているだけあり、他2つのレンズよりも近距離でフォーカスを失わずに撮影ができますが、200万画素でありその画質はお世辞にも良いとは言えません。
夜景
夜景については、夜景モードなしではズームでマシになれど白飛びが目立ちますが、夜景モードで撮影すればゲーミングスマホにしては良い仕上がりに。
超広角は白飛びが酷く目も当てられません。前述の通りプロモード内でしか超広角レンズが使用できず、夜景モードで撮影できないため、夜景に関しては素直にメインレンズを使いましょう。
ビデオ
8K30FPS、4K60/30FPS、1,080p60/30FPS、720p30FPSでの動画撮影に対応。スタビライゼーションに関しては、8K以外ではゲーミングスマホにしては安定しています。
8Kでは歩きながら撮影するとブレブレになるため、立ち止まっての撮影以外には向いていません。
まとめ「世界初165Hzリフレッシュレート対応スマホ」
最新のSnapdragon 888を搭載し、スマホ史上初となる165Hzリフレッシュレートに対応、冷却性能も前モデルより向上したRed Magic 6。
165Hzに対応したゲームはまだまだ少ないですが、これまで数々のゲームが90Hzや120Hz似対応してきたことを考えるとそれも時間の問題。コンマ1秒でもライバルに差をつけたいというガチゲーマー必見の機種となっています。
◎良い点
- スマホ史上初の165Hzリフレッシュレートディスプレイ
- FPSで大きなアドバンテージとなるショルダートリガー(400Hz)
- 6.8インチの巨大ディスプレイ
- 前モデル(Red Magic 5S)から改善が見られるソフトウェア
×残念な点
- バッテリー持ち
- 66W充電をするためには充電器を別途購入する必要がある
- ソフトウェア面ではやや改善の余地有り
そのお値段は日本版が約10万円からと、今まで程の高コスパではありませんが、今回は日本語でのカスタマーサポートに対応。
ゲーミングスマホの購入を検討しており、日本語でのサポートを求めている人にはピッタリの機種と言えるでしょう。
Red Magic 6について、何か質問があればコメント欄あるいは私のTwitter(@Kohei_SP)までお寄せください。可能な限り返信させていただきます。
これだけしてもアッチッチだな888
でも紅魔ほちくなった多分R買う