台湾のMediaTekは13日、スマホ向けの新型SoC「Dimensity 900」を発表しました。Dimensityシリーズは同社の5G SoC用ブランドであるため、本機も5Gをサポートしています。
MediaTekのミドルレンジ最上位SoCとなる
Dimensityシリーズの現在のラインナップは、フラッグシップSoCのDimensity 1000シリーズと、ミドルレンジラインのDimensity 800 / 700シリーズで構成されています。新たに発表されたDimensity 900は、Dimensityシリーズとしては初めてとなる900番台のSoCで、今後800番台よりも強力なミドルハイラインとして展開されることが予想されます。
特徴的な機能として、MediaTekは6nmプロセスでの製造、Wi-Fi 6、Sub-6 5G、120Hz FHD+ディスプレイのサポート、108MPカメラのサポートなどを挙げています。また、Dimensity 900はLPDDR5メモリ及びUFS 3.1ストレージをサポートしています。
CPUはARMのCortex-A78@2.4GHz x 2、Cortex-A55@2.0GHz x 6の計8コアとなっており、特にCortex-A78はQualcommのSnapdragon 780G / 888、MediaTekのDimensity 1100 / 1200など今季の各上位SoCでしか採用されていない非常に強力なCPUです。
GPUとして採用されたMali-68はDimensity 900が最初の搭載チップです。サムスンの今年のフラッグシップSoCであるExynos 1080 / 2100などで採用されたMali-78の低電力版(電力効率が30%向上)とされ、ある程度性能も抑えられたものになっているとみられます。
全く同様の構成となっているSoCは出回っていませんが、クアルコムのSnapdrago 780G(Mi 11 Lite 5Gなどに搭載)がCortex-A78 x 4+Cortex-A55 x 4(クロック数が一部異なる)という構成でDimensity 900より一回り強力で、Snapdragon 768Gが(Cortex-A76 x 2(クロック数が一部異なる)+Cortex-A55 x 6という構成でDimensity 900よりも一回り非力になっています。
著名なリーカーのDigital Chat Station(数碼閒聊站)氏は発表直前にDimensity 900のAntutu(V8)スコアをリークしており、実際にSnapdragon 768Gを一回り上回る48万点を記録したことを明かしています。
#DigitalChatStation
The mt6877 (temporarily named Dimensity 900) engineering machine ran a score of about 480,000. For reference, the Dimensity 820 and Snapdragon 768G have a score of 440,000, and the Snapdragon 780G has a score of 540,000.— Digital Chat Station (@chat_station) May 11, 2021
MediaTekらしい低い価格設定と、クアルコムの最上位ミドルSoCに匹敵する性能で、2021年の格安ミドルレンジスマホ市場により高い能力をもたらすことでしょう。日本国内で展開されるスマホにも、今後Dimensityシリーズは普及していくはずです。
Source:PRTimes(日本語),MediaTek(英語)
メチャクチャ良い
これがReno 6搭載って噂されるやつ?