【解説記事】キャリアアグリゲーションって何？

※サムネイルは筆者が3分で作ったキャリアアグリゲーションのイメージ図です。

数年前からよく聞くようになった通信関係の技術に、キャリアアグリゲーションというものがあります。少しネタが古いかもしれませんが、docomoが今年の春からキャリアアグリゲーションを開始するので、今回はキャリアアグリゲーションとは何かということについて解説しようと思います。

それでは行きましょう！

キャリアアグリゲーションとは？

早速ですがキャリアアグリゲーションとは何かについてもう答えてしまいます。キャリアアグリゲーションとはざっくりいうとたくさんのアンテナで種類の違うたくさんの電波を受信して高速通信をする技術のことです。

例として今年の春からサービスが開始するdocomoのキャリアアグリゲーションを挙げます。

docomoでは、受信速度が最大150 MbpsのBand 1 (2.0 GHz）、受信速度が最大400 MbpsのBand 3 (1.7 GHz）、受信速度が最大150 MbpsのBand 19 (800 MHz）、そして受信速度が最大294 MbpsのBand 42 (3.5 GHz）があります。（他にも何個かありますが、他の周波数帯の電波はキャリアアグリゲーションに使われないためここでは割愛します。詳しくは以下の記事を参考にしてください。）

https://telektlist.com/career-bands/

docomoのキャリアアグリゲーションでは、これらの4種類のバンドに加えて、Band 42を2つ使用して、同時にまとめて通信することで合計、受信速度が最大1288 Mbpsの通信をすることができます。

このようにして様々な周波数帯の通信をまとめて一気に実行する技術が、キャリアアグリゲーションなのです。

キャリアアグリゲーション以外の高速化技術は？

さて、各キャリアの高速通信を支える技術は、キャリアアグリゲーションだけではありません。今回は、その中から各キャリアからキャリアアグリゲーションと一緒に紹介される重要なふたつを紹介します。

4×4 MIMO

4×4 MIMOは、フォーバイフォーマイモとよみます。

4×4 MIMOとは、電波を発する基地局と電波を受信するスマートフォンなどの端末で、それぞれ４本ずつのアンテナを使って通信する技術です。４本のアンテナそれぞれから通信の情報を得られるため、理論上通信速度が４倍になります。

なお、最近ではアンテナ８本の8×8 MIMOも開発中だそうです。

Softbankのキャリアアグリゲーションにも4×4 MIMOの文字がある

各キャリアの高速4Gは4×4 MIMOも同時に利用したものが多いため、多くの場合で4×4 MIMOに対応したスマートフォンでないと高速な通信を利用できませんのでご注意ください。

256QAM

もう一つの高速化技術に、256QAMというのがあります。

QAMとは、電波の振幅と位相の両方を用いてデータ通信をする変調方式のことです。電波は文字通り並みなので、波の山の大きさを示す振幅と、波の送った時間のズレを示す位相に情報を込めることができます。この両方に情報を詰め込み、そこからデータを抜き出す変換方式のことをQAM（quadrature amplitude modulation）といいます。

そのQAMも、今までは64QAMという6ビットの情報を用いた通信から、256QAMという8ビットの情報を用いたものに進化させることで、情報の密度が大きくなりひいてはデータ転送量が多くなります。

「256QAM」とは、無線通信における変調方式のひとつで、情報密度を高めて一度に運べるデータ量を増加させる技術です。

地味な技術ですが、従来の1.3倍と着実に通信速度を上げることができます。

Softbankのキャリアアグリゲーションにも4×4 MIMOと一緒に256QAMの文字がある

これもまた各キャリアの高速通信4Gに用いられる技術なので、256QAMに対応したスマートフォンだとより高速に通信できるでしょう。

まとめ

以上、キャリアアグリゲーションを主に、インターネット通信を高速化する技術を3つ紹介しました。今後はキャリアアグリゲーションができるか、4×4 MIMO（もしくは8×8 MIMO）、256QAMに対応しているかどうかもスマートフォンを選ぶのに必要な条件になるでしょう。

もっと高速な通信を楽しみたい方は、こういった点に注目して見てはいかがでしょうか？

それでは快適なインターネット生活をお楽しみください！

Source : docomo, au, Softbank