このレビューは、2019年4月にMeizuから発売された日本未販売のハイエンド機「Meizu 16s」のテレクトリスト読者による実機レビューです。
目次
Meizu 16sのスペック概要
Meizu 16sは、リアカメラにSONYの48MP IMX586とIMX350のデュアルカメラを搭載しており、SoCは最新のSnapdragon 855オクタコアプロセッサです。指紋認証センサーは画面内でゲーム中にリアルな振動を発生させる「mEngine 3.0」などが搭載されたAndroidスマホです。
基本スペック | |
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ディスプレイ | 6.2インチ, 1080 x 2232, 有機ELディスプレイ, 400ppi |
サイズ | 151.9 x 73.4 x 7.6mm, 165g |
システム | |
OS | Android 9.0 (Pie) |
Soc | Qualcomm Snapdragon 855 |
CPU | Kryo 485 8コア, 2.84 GHz |
メモリ(RAM) | 6GB / 8GB |
ストレージ | 128GB / 256GB, sd_card microSDスロット無し |
カメラ | |
メインカメラ | camera_rear 48 + 20MP, F値/1.7, デュアルカメラ, OIS(光学手ぶれ補正), PDAF, 6-LEDデュアルトーンフラッシュ |
メインカメラ特徴 | camera |
前面カメラ | camera_front 20MP, F値/2.2 |
センサ類 | 指紋認証センサ, 加速度センサ, 近接センサ, ジャイロ, コンパス, 顔認証ロック, 画面内指紋認証センサ |
機能 | 防水 非対応, イヤホンジャック なし |
その他特徴 | mEngine 3.0, Super m Touch, ステレオスピーカー |
バッテリー | battery_charging_fullType-C 1.0, 3600mAh |
購入について
購入の決め手
購入場所・購入時期・購入価格
購入モデル
化粧箱・付属品
黒箱に黒文字のシンプルな箱です。特に高級感はありません。
本体以外に、ACアダプタ(SEタイプ)、USB Type-C ケーブル、SIMピン、クイックスタートガイドなど3冊の6つが同梱されています。
イヤホンジャックがないので、有線イヤホンを使用する場合USB Type-Cをイヤホンジャックへと変換するケーブルが必要になります。しかし、他社と違い同梱されていません。
音楽系のゲームやFPS、TPSなど少しの音の遅延が悪影響となるゲームをプレイされる方は注意が必要です。
本体デザイン
正面はノッチなし、パンチホールなしの非常にシンプルなデザインです。
上部にスピーカー、インカメ、センサー類があります。
背面の材質はガラスで色はきれいなグラデーションです。
光の当たり方によって紫色や青色に見えます。
高級感はありますが、より価格の高いスマートフォンと横並びで比較してしまうとややチープさを感じるかもしれません。
側面には本体右側に音量キー、電源キーがあります。左側には何もありません。
底面にSIMトレイ、スピーカー、USBポートがあります。SIMトレイは、よくある横にSIMを2枚並べるタイプではなく、裏表に1枚ずつはめ込むタイプです。
本体の厚みは7.6mmとMeizuは公表していますが、これはカメラ部分の出っ張りを除いた数値です。
カメラ部分はおよそ1.5mm程度出っぱっています。
本体サイズは、大画面化が進む昨今のスマートフォンとしては平均的なサイズです。
片手でのタイピングはやや苦しいと感じます。(筆者の手は手長185mm程度と成人男性としては平均的なサイズです。)
ディスプレイ
ソフトウェア・アプリ
OSは、Android9ベースのFlyme7.2.0.3Gです(2019/07/18時点)。
FlymeはHuaweiにおけるEMUIのようなものです。
UIはシンプルです。全体的に手が入っており、Androidであることを感じられるのは設定項目くらいです。
グローバル版であろうと日本語ロケールは存在しないOSで、たとえmorelocale2などを利用しても設定は日本語化されないため注意が必要です。
また、フォントが繁体字寄りで、一部の漢字に違和感を覚えるかと思います。
日本語ロケールはありませんが、地域選択で日本を選ぶことは可能ですので、時刻の自動調整は問題なく使用できます。
処理性能
ドコモ本家SIMにて試験運用。Band19非対応ですので、都市部においては問題なく使用できますが、山間部ではつながりが悪くなると思われます。
ナビゲーションバーのジェスチャーは、OneplusやHuaweiによく似たジェスチャーが2パターンとAndroid純正の3キーナビゲーションバー、そして独自ジェスチャーであるmBackが使えます。
2つのジェスチャーは感度など完成度があまり高くなく、やや癖があると感じるかと思います。他方、mBackは熟成を重ねているだけあり使い勝手は良いです。
いずれもどのジェスチャーで何ができるかをナビゲーションバーの設定画面においてアニメーションで示してくれているので使い方がわからない、なんてなることはないと思います。
画面内指紋認証は快適な速度と精度を持っています。たまに反応が悪かったりもしますが構造上難しいところもあるので高水準ではないかと思います。
顔認証は2Dだと思われます。認証速度は指紋認証より速いです。
Antutu v7(Ver7.2.2)総合350259、CPU 123412、GPU 141899、UX 72119、MEM 12829で、アプリ内に表示されるランキングとしては6位のスコアです。
Geekbench4(Ver4.4.0)、シングルコア2668、マルチコア9810、レンダースクリプトスコア 6358 3D Mark Sling Shot Extreme 4996 Antutu、GeekbenchともにSnapdragon855搭載機としては平均的なスコアです。
3DMarkによるとMeizu 16sの平均的なスコアは5570ですので、Meizu 16sとしては低いほうです。
再起動後に走らせればもっとスコアが出るかもしれません。
ベンチマーク中は風を当てるなどして冷却を試みています。
ROMの空きは約60GBでした。 ゲーム性能を図るベンチマークとしてPUBG MOBILEをプレイしました。TPUケースあり、グラフィックHDR、フレームレートExtreme、スタイルRealistic、アンチエイリアスあり、シャドーありでテスト。
2マッチ行いましたがじんわりと温かくなった程度です。
開発者向けオプションのFPS MonitorでFPSをチェックしながらプレイしましたが、常時60FPS近辺(58以上)をマークしていました。
マッチ終了後のCPU温度はCPU-Zによる計測で50℃近辺と余裕のある温度でした。
カメラ性能・写真サンプル
カメラは48MP+20MP(それぞれIMX586とIMX350)で、OISとリング状の6連LEDによるデュアルトーンフラッシュを備えています。流行りの超広角レンズはありません。
カメラのモードはポートレート、フォト(通常)、動画、プロ、パノラマ、タイムラプス、スローモーション、スーパーナイト(三脚ありなしのオプションあり)の8つがあります。
プロモードでは、シャッタースピード、ISO感度、露光量、フォーカス、ホワイトバランスの5つを調整でき、メインカメラである48MPのIMX586を使用するかも選択できます。
ズームは8倍まで可能で、3倍まで光学、3倍以降はデジタルズームと思われます。
ISO感度は3200までサポートしています。
カメラの写りは、4万円台のIMX586搭載機としては普通と感じます。
IMX586特有のシャープ感もそのままです。
スーパーナイトモードのオプションで三脚ありを選んだ場合、より長時間の露光とより多くの写真撮影を行い合成するのでハイエンド機種にも負けないほど光を取り込めていると感じます。(ヨドバシ梅田を撮影した写真のより明るい方が三脚ありで撮影したものです)
Adobe LightroomでのDNG(RAW)撮影はサポートしていません。
アップロード可能なファイルサイズの都合上画像はすべて4000×3000です。
以下はMeizu 16sで撮影した写真サンプルです。(画像クリックでフルサイズ表示。ファイルサイズにご注意ください)
スピーカー・音質
電池持ち・充電速度の印象
充電は最大24Wまで対応です。
急速充電を謳うスマートフォンの多い直近の市場では、いたって普通かむしろ遅いかもしれません。
電池持ちは、テザリングやワイヤレスイヤホンでの音楽再生を1日3時間行っても、余裕で1日はもちます。2日は節電が必要になると思います。
まとめ
◎良い点
- OISがある(しっかりスマホをホールドしていればXiaomi Mi9と細部の解像度に結構差が出ます)
- ステレオスピーカー
- ノッチレスデザイン
- 同クラスの国産スマートフォンと比べたときの価格
×悪い点
- 癖の強いソフトウェア
- ケース、フィルムの調達が難しい
- ワイヤレス充電がない
- Xiaomi Mi9と比べると少し髙い ・防水ではない
全体的な感想
コストパフォマンスに優れたスマートフォンです。
同価格帯のライバルとなるのはXiaomi Mi9やXiaomi Redmi K20 Pro、ASUS ZenFone 6などだと思いますが、日本語ロケールがない、知名度が低い、超広角カメラがないなどの欠点はあるものの、OISがある(Mi9はOISなしです)、可動ギミック、ノッチ共になし、ステレオスピーカーであるなどの利点もあり、引けをとっていません。
この価格帯特有の価格なりのチューニングの甘さも感じられますし、防水もありませんが、満足度は高いと思います。
こんな人におすすめ
・人と被らないスマホが欲しい
満足度:10点満点中8点
コメント
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